2005 Fiscal Year Annual Research Report
ベヴァリッジ経済思想の統一的把握:初期と後期をつなぐ経済参謀論
Project/Area Number |
17530158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
小峯 敦 龍谷大学, 経済学部, 助教授 (00262387)
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Keywords | ベヴァリッジ / 経済参謀 / ケインズ / ロビンズ / 経済政策思想 / 失業論 / 社会保障論 / 国際研究者交流(イギリス) |
Research Abstract |
補助金交付の前であったが、まず平成17年9月上旬にロンドンおよびエクセターに短期滞在した。ロンドンではLSEとPRO(National Archives)の未公開資料を閲覧・収集した。LSEでは主にベヴァリッジ文庫とロビンズ文庫をあたり、両者の連邦主義をめぐる議論に絞って手紙・メモなどを閲覧し、ワープロに打ち込んだ。PROではこれまでと同様に政府文書を閲覧した。今回は1929年あたりの経済参謀論に絞り、ケインズやクレイ・ロビンズなど経済学者のメモをコピーし、そのリストをデジタル化した。 補助金によっていくつかの研究会に出席した。Duncan Rossによるセミナー(首都大学東京、11/12)、経済学史学会・関東部会(東洋大学、11/25)、早稲田大学政治経済学セミナー(早稲田大学、12/3)、経済学史学会・関西部会(大阪商業大学、12/10)、ポスト・ジョイントセミナー(上智大学、12/17)、近代経済学史研究会(関西学院大学、12/23)、京阪経済研究会(大阪学院大学、2/3)などである。この中で「ベヴァリッジと経済学の方法および現実」を発表したり、関連する報告のコメンテーターを引き受けたりした。また補助金は使用していないが、東京に出張して「人口論・優生学・家族手当:ベヴァリッジ〜ケインズ論争の帰結」という草稿を発表し、数名にコメントをもらって改訂の機会とした。 大型の図書として、王立委員会報告であるGold and Silver Commission, 1887-1888, 2 volumesとRoyal Commission on the Aged Poor, 1895,2 volumes,またケインズ全集30巻を購入して、本研究の基礎文献とした。 初年度の研究なので、研究成果が正式な雑誌露文の形で公表されたものは1つのみである。しかし論文草稿は既に4つを数えている。そのすべてについて、研究会で既に報告した。いくつかは改訂が終わり、投稿の段階になっている。いくつかは引き続き改訂する。そのうち1つは、3月1日にローマ大学にて発表した。Beveridge on Welfare Society : An integration of the Trilogyという題名である。
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Research Products
(6 results)