2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530177
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柳川 隆 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (60247616)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 一郎 名古屋商科大学, 総合経営学部, 教授 (90267922)
播磨谷 浩三 札幌学院大学, 経済学部, 講師 (90347732)
|
Keywords | 規制 / 競争政策 / 統合 / 垂直分離 / 民営化 / 鉄道 / ルーマニア / 東ヨーロッパ |
Research Abstract |
第1に,新制度経済学(取引費用経済学)と産業組織論と競争政策に基づく理論的研究を行った。その成果の概要は,川濱昇・柳川隆編『競争の戦略と政策』有斐閣(近刊)所収の,柳川隆「競争の経済分析と政策」(第1章),吉野一郎・瀬領真悟「共謀と協調戦略」第4章,柳川隆・泉水文雄「垂直的統合」第7章,吉野一郎・川濱昇「参入阻止と排除戦略」(第8章)としてまとめられた。また,企業の統合と分離の中間的な形態としての「ハイブリッド組織(取引)」に着目し,柳川隆「取引費用経済学と関係的契約からみた反トラスト法上の取引義務」『国民経済雑誌』2005年,を執筆した。さらに,取引費用経済学の考え方を,市場経済化に伴う法と法律家の役割に応用して言及した,柳川隆「市場化社会を支える法と法律家の役割-経済学の視点から」『神戸法学雑誌』(近刊)を発表した。 第2に,ケーススタディとしてルーマニア国鉄の垂直分離についての調査を行った。当初,事例については東南アジアの企業を対象とする予定であったが,EU加盟を目指して市場経済化を進める東欧の方が,民営化が急速に進展しており,そのプロセスのなかで垂直的分離を活用しているという点で,より適切な研究対象になると考えた。そこで,事前の文献研究ののち,実際に3名でルーマニアを訪問してヒアリング調査を行った。ルーマニアの鉄道の所有者であり規制当局である運輸省鉄道局,国鉄のインフラ保有会社であるCFR-SA,国鉄の旅客輸送を行う会社であるCFR-Calatori,国鉄の貨物輸送を行う会社であるCFR-Marfa,民営化された客車整備会社のGrivitaを訪れてヒアリング調査を行い,また,ブカレスト北駅を視察した。ルーマニア国鉄の垂直的分離と,各鉄道会社の現状と課題について調査報告をまとめるとともに,さらなる文献研究を進めている。
|
Research Products
(1 results)