2007 Fiscal Year Annual Research Report
用途別財貿易の多面的分析による日本・アジア諸国およびアメリカとの貿易構造の研究
Project/Area Number |
17530181
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石田 修 Kyushu University, 経済学研究院, 准教授 (40184527)
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Keywords | 貿易の垂直構造 / 部品貿易 / 市場の階層化 / グローバル化 |
Research Abstract |
2年間のデータ分析を踏まえ、用途別財の貿易のなかでも部品貿易、資本財貿易、消費財貿易ごとにと日本を中心としたアジア・太平洋地域の構造を明らかにした。とりわけ、日本、韓国・台湾、中国の貿易構造の特徴を視覚に訴えるためにグラフ化した。そこから、各国の貿易財の階層構造を導出することが出来た。さらに、貿易と投資の関係を考慮し、用途別財貿易と企業行動との関係を考察した。企業活動と貿易構造の関係を示すために、グローバル生産システムという視点を提示した。以下に示す点が、具体的成果である。 1.データ分析から、「貿易構造の垂直化」と「貿易構造の階層化」という概念を提起した。垂直化とは、貿易が生産の投入産出活動にとって重要な活動であることを喚起したものであり、階層化とは財単価(財価格÷財の量)の国民経済間の相違を明確にしたもめである。 2.また、これまでの分析はHS88のデータに基づく研究成果であるが、次の段間として、HS96のデータの分析の端緒を開く研究に着手した。これにより、近年の貿易構造の垂直化の傾向と階層化の動向が明らかとなった。 3.「グローバル生産システム」を概念化するため、分析視点の最小単位である施設単位から、企業単位、産業単位、国民経済単位を関連させるために「「リンケージ」、「バリューチェーン」、「ネットワーク」、「オープン化」という定義を用いた。 4.グローバル生産システムの変化を分析するには、企業単位ではなく施設単位が重要である。
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Research Products
(5 results)