2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530200
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
駄田井 正 久留米大学, 経済学部, 教授 (60236784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 紘二 下関市立大学, 経済学部, 教授 (60038065)
松尾 匡 久留米大学, 経済学部, 教授 (70258383)
西島 博樹 長崎県立大学, 経済学部, 助教授 (90352418)
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Keywords | 自然共生度 / 流域 / 持続可能性 / ファジー理論 / 水源林 / パーファーマンス |
Research Abstract |
(1)各産業が使用する技術の自然共生度の測定に関しては、陶芸、家具、林業について調査を行い基礎的な資料を収集した。自然共生度の測定に使用する指標としては、次の3点をとりあげた。(1)材料・素材の質、すなわちどれだけ自然素材が使用されているかどうか、(2)技術の使用にあたって、自然・生態系への配慮がどの程度なされているか、例えば農業にあっては農薬の使用回数など。(3)資本(機会・設備)と労働の割合、機械化の程度。これは、手作りであればあるほど素材の味が活かされることにも関係し、自然・生態系への配慮にも関係する。 (2)林業に関して、専門家との研究会を3回実施し、筑後川上流域の水源林の実態と望ましいあり方について、一つの結論を得た。筑後川上流の山林は、全国的に見ても人工林の比率が以上に高いところであり、天然林とのバランスが悪い。その意味では自然共生度が低い。この点に関しては、吉野川流域や四万十川流域の調査からの比較によって確認できた。 (3)自然共生度μの測定方法に関して、ファジールールによる推論を適用できることを確認した。すなわち、自然共生度測定の基礎となる諸指標(x_1,x_2,・・・,x_nとしよう)から、μを構成するのにファジー推論の方法を使用する。 (4)一方、自然共生度と関連させるパーフォーマンス(φとする)も、GDPやその成長率のような経済変数のような指標だけではなく、犯罪発生率などの社会的指標も含めたもの(y_1,y_2,・・・,y_mとしよう)からファジー推論で構成することにした。この結果、総合的な2つの指標(μ,φ)のあいだでのファジー推論を展開することになり、両者の関係をさぐることで、持続可能な流域を形成する方法が模索できる。
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