2007 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的な地方港湾を活用した街づくり運動による地域経済自律活性化について
Project/Area Number |
17530201
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Research Institution | Hiroshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
風呂本 武典 Hiroshima National College of Maritime Technology, 流通情報工学科, 准教授 (50259925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 勝規 富山商船高等専門学校, 国際流通学科, 講師 (80311009)
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Keywords | 地域経済 / 港湾 / 観光 / 交通 / 街づくり / 産業遺産 / 地域活性化 / 町並み保存 |
Research Abstract |
19年度は、前年度のフィールドワークで抽出された、伝統的家屋の修復と地域住民の現代的生活利便性追及が相反して起こる、歴史的遺産を活用した観光にとって重要な、景観保全問題とその解決方法を探った。この問題について前年度末に観光先進地域であるドイツの歴史的港湾都市、ハンザ都市において海外フィールドワーク調査を行った結果を整理し、それを国内においては再び瀬戸内海地域に重点的にフィードバックして景観保全問題を中心に実態調査を行った。広島県福山市鞆地区、尾道市、兵庫県たつの市において、行政の建設局などのような都市整備部局と世界遺産推進課やまちなみ対策課などのような景観保全担当部局、またまちづくりNPO法人など地域住民等から各種ヒヤリングを行った。18年度末のドイツのフィールドワーク結果と19年度前半の瀬戸内のフィールドワーク結果を比較して、岡本・風呂本共同で、2007年9月7日、「歴史的港湾を活用した観光による地方都市の街づくり-観光資源としての伝統的町並み保存および景観保全-」と題して、第46回日本港湾経済学会全国大会において発表、報告を行った。本研究のとりまとめの過程において、研究対象地域の歴史的港湾遺産を活用した、観光によるまちづくりについては、地域の歴史的価値を他ならぬ住民自身が理解し、地域経済における観光の役割を認識し、景観保全に対する意識を持つことが重要であり、そこへの合意形成をいかに進めて行くかが課題として抽出された。その際に地域住民組織を動かすには地域リーダーの存在が重要であり、今はまずそのような人材の育成が急務であることが上げられる。また景観に対して住民意識が低い状態では、必ずしも伝統建築物の完全な保全にこだわるのではなく、景観形成という形での妥協を図り柔軟な対応をしつつ、意識醸成を待つという方法がベターであることが、たつの市の事例からも導き出された。
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Research Products
(1 results)