2007 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀中葉の中国における物価変動と市場形成:データベースの構築と分析
Project/Area Number |
17530261
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
牧野 文夫 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 教授 (70190337)
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Keywords | 物価史 / 中国 / 20世紀 / 市場形成 |
Research Abstract |
本年度は、まず収集した資料のデータベース化作業を継続して行った。収集した資料が膨大であったため、時間の制約で全ての資料を完全な形でデータベース化することはできなかったが、それによってかなりの分析を行うことが可能となった。また西南大学(重慶)、北京師範大学、中国人民大学、国家図書館などを訪問し、資料の収集を行った。 本年度の具体的な分析課題は、経済一般の動きや市場形成、戦前期と戦後期の物価変動の比較の問題である。主要な事実発見は以下の通りである。 ・物価変動の地域間比較と市場形成に関する分析;1930年代の市場性の高い米価を指標にとって月次データを使った統計分析を行ったが、各地の米価はかなり広範囲の地域で連動していることがわかった。このことから、戦前期(1930年代)における市場形成の進展がかなりあったことがわかる。 ・1930年代と50年代の物価変動の比較分析;1930年代の物価の激しい変動に比べると50年代はかなりの程度安定している。50年代は戦争・内戦の終結による通貨価値の安定、生産活動の再開などが物価の安定に寄与したと思われる。・戦前と戦後の物価指数のリンク;1930年代後半からのハイパーインフレは50年代初期まで継続した。特に1945年以後は新たな通貨の発行が続き、その価値が不安定であったことからハイパーインフレが発生した。『工農業商品比価問題調査研究資料匯編1930-36年 1950-55年』に収められた一部の地区のデータを使って、この間のインフレの進行をつかむことができた。従来は都市部(上海、天津、重慶など)についてのインフレの状況しか把握することができなかったが、本研究では一部の農村地域についてもインフレの深刻さの実態をつかんだ。
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Research Products
(2 results)
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[Book] 中国経済入門2007
Author(s)
牧野文夫、南 亮進、他
Total Pages
242(共編著者として全体統括)
Publisher
中国水利水電出版社