2006 Fiscal Year Annual Research Report
両大戦間期ドイツの社会保障政策-社会保険の運用を中心に-
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17530264
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福澤 直樹 Nagoya University, 大学院・経済学研究科, 准教授 (10242801)
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Keywords | 経済史 / 社会福祉 / ドイツ史 / 社会保障史 / 社会保険 / 福祉国家 / 社会国家 / 新自由主義 |
Research Abstract |
ドイツの社会保険を中心とする社会保障政策の制度形成およびその運用のあり方と時々の経済秩序との関係を経済史の観点から分析するという本研究課題の目的に即して、第二帝政期からヴァイマール期、大不況期およびナチス期、連邦共和国期にいたるそれぞれの時期における社会保険制度のあり方とその運用の関係、とくにそれぞれの体制独自の市場経済のあり方と実際の社会保険の運用やその変更等との連関性の検討や、より立ち入って市場経済下の社会国家的展開の論理についての考察・検討を継続した。年度当初の計画では本年度はヴァイマール期と大不況期、ナチス期についての資料分析およびそれを基に当該期についての実証研究をまとめることに主眼を置いていく予定であったが、従来から行ってきた連邦共和国期における新自由主義および社会民主主義が社会保険の新形成に与えた影響についての研究を公表する機会に恵まれたため、まずはその部分の完成をさせることとし、その成果を本報告書第11項に記載のようなかたちで公刊した。また、上述の本研究課題の目的に即した社会国家発展の論理についてのこれまでの分析を政治経済学・経済史学会2006年度学術大会(於・明治大学、2006年10月28-29日)共通論題基調報告として発表する機会を得、この内容は「ドイツにおける社会国家の途-第二帝政期から現代に至るまでの歴史的経験-」『歴史と経済』第195号(2007年4月)として公表した。さらに同様の主旨の議論についてドイツ現地の研究者と議論すべく、フライブルク-名古屋両大学共同セミナー(於・ドイツ・フライブルク大学、2007年3月28-30日)において"Historical Study about the Economic Integration and Solidarity-German Experience from the View Point of A Japanese Researcher-"と題する研究報告を行ない討論した。2007年6月にはヴァイマール期の既存三社会保険部門についての資料をドイツ・連邦公文書館で収集し、第二帝政期から現代にいたるまでのスパンを含みこんだ、社会保険を分析の主軸としたドイツ社会国家展開に関する単著(単行本)の原稿の主要部分を作成した。
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Research Products
(2 results)