2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本の製造業における技術力と事業モデルに関する新たな展開
Project/Area Number |
17530283
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 基成 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (10158222)
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Keywords | 事業モデル / 技術力の蓄積 / イノベーション・マネジメント / 技能継承 |
Research Abstract |
本年度は研究の初年度であるので、先ずは国内ならびに国外の関連する既存研究の成果に関する文献サーベイを行い、イノベーション・マネジメントを中心とする最近の文献資料の整理を、大学院生の助力を得て実施した。それと同時に、国内を中心に約30社の製造企業への訪問ヒアリング調査を行い、新たな事業への取り組みにさいして事業モデルをどのように構築し、そのモデルの中で技術力の蓄積と活用をどう位置づけているのかを調べた。ヒアリング調査は、規模の大きな企業のみでなく、中小企業やベンチャー企業も対象とした。その結果、以下の3点を今後の研究を進める上でキーとなる要因として識別することができた。 1つは、情報通信技術(IT)の活用であり、外部から導入したIT技術を自らの独自技術として使いこなす企業が増えていること。2つには、技能後継者の不足という2007年問題に対して、IT技術を活用しながら後継人材の育成と技能継承への意欲的な取り組みが進んでおり、ITや機械設備による技術と人に体化された技能とを巧みに融合している企業は経営業績も好調であること。3つには、企業規模に関係なく各企業は自らが蓄積する技術を得意分野に絞り込み、他企業との連携によって事業モデルを構築する取り組みが増えている。とりわけ、中小企業にあっては、平成17年度からの新たな支援策として新連携施策が導入されたこともあって、大企業を含む他組織との連携により興味深い新たな事業モデルを構築する事例が数多く生まれつつあることが確認できた。
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Research Products
(3 results)