Research Abstract |
本研究の目的は,地域プラットフォーム体制の確立に関する研究を通じて,インキュベーションを核とした自立的発展による産業クラスター形成に関する研究である。本年度は,2年間に渡る研究期間の終了年度ということで,主として以下のような研究計画を実施した。 1.前年度(平成17年度)に行った調査研究の成果の整理・分析 地域プラットフォーム体制に関する文献レビューを基に,関西地域,地元となる兵庫県・神戸市を中心に,地域プラットフォームの構成要素となる中核的支援機関,インキュベータ施設,地域金融機関,技術移転機関等に対してインタビュー調査を実施したが,その調査の結果,地域プラットフォーム体制の核となるべきインキュベータ施設の自律的発展と地域振興とが現実にはトレードオフの関係にあることが確認された。また,インタビュー調査の成果を踏まえ,インキュベータ施設担当者,並びにインキュベーション・マネジャーに対して「ビジネス・インキュベーションに関する実態調査」を実施したが,これについてはさらに分析をする必要があることが確認された。 2.本年度の取り組み 当初の研究計画に則り,「神戸医療産業都市構想への参画に関する実態調査」を実施した。この調査によって,「神戸医療産業都市構想」というクラスター形成計画の知名度自体については,兵庫県下の企業において,概ね浸透していることがわかった。しかし,その具体的な中身については,まだまだ周知されているとは言えず,実際に医療産業に進出するかどうかという点については,静観しているというのが現状であることが明らかとなった。 3.研究成果の取りまとめ 研究会の成果を踏まえて,研究分担者が個別に学会,研究会等での発表を重ね,更なる分析の精緻化を目指した。これらの研究成果の一部は既に論文として上梓されている。加えて,上梓された論文を含め,研究成果を総合し,報告書の作成を行った
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