2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本の消費者の地域的特質と日本小売企業のローカリゼーションとグローバリゼーション
Project/Area Number |
17530323
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
平敷 徹男 琉球大学, 法文学部, 教授 (60140977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 英一 九州産業大学, 商学部, 助教授 (90274878)
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Keywords | 日本の消費者 / 地域的特質 / 日本の小売企業 / グローバリゼーション / ローカリゼーション / 地域適応力 / IKEA / 日本市場 |
Research Abstract |
平成18年度の研究では、沖縄地区と福岡九州地区の日本の小売企業を大手全国チェーン小売企業と地場系の小売企業とに分類し、各地域での二類系の小売企業の特質と類似性等を、事例を通じて検討を行った。その結果、大手全国系の小売企業は出店当初は標準化戦略を展開しているものの、地元の習憤や文化、伝統等にあわせて調整するというローカリゼーションを進めていることが明らかとなった。一方で、地元系小兜企莱も大手のオペレーションを追随していくケースも多いようであるが、特に従業員の管理や入的なオペレーションには大きな違いがみられる。特に沖縄地城では顕著であった。 また、日系小売企業の海外進出動向では、アジア地域では積極的な展開がみられるものの、欧州方面では低調にとどまっている。そして特に、アジア地域での成功や成長の要因としては、日本の小売企業そのものの適応力というだけではなく、例えばあまおうブランドのいちごやふじブランドのリンゴなど商い付加価値をもつ日本産の農産物商品そのものの魅力が海外から高い評価を得ているといった側面もある。こうした商品の品揃えを進めるなど、日本小売企業のさらなるアジアでの展開は中国方面など今後も拡大が期待できる。一方、欧州方面は撤退する小売企業も少なくなく、日本型のきめ細かなサービスなどが必ずしも通用するわけではなく、質素かつ限定的な消費に本国や欧州の小売企業に対抗できる要素が少ないというのが現状でもあるが、物価水準も日本以上に高くや消毅者の商価格品への抵抗が少ないなど欧州市場の魅力は高く、現地適応の最も効果的な戦術、戦略を模索しているところといえる。 また、スウェーデン最大のグローバル小売企業のIKEAの日本進出動向が調査され、翼在のところ、世界共通のグローバル・チェーン・オペレーション方式をとってはいるものの、今後は、日本市場への適応のための諸戦略が展開されるものと思われる。
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