2008 Fiscal Year Annual Research Report
リスク社会と道徳規範-社会と個人を「切る」社会学の可能性についての研究-
Project/Area Number |
17530364
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三上 剛史 Kobe University, 国際文化学研究科, 教授 (80157453)
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Keywords | リスク社会 / 道徳規範 / 連帯 / 公共性 / 監視社会 / 信頼 / 個人と社会 / 社会的なもの |
Research Abstract |
本研究課題の成果としては、平成17年度から平成20年度にかけて、幾つかの著書・論文を発表したが、学術雑誌に掲載された4つの論考を軸としつつ、最終報告書として『リスク社会と道徳規範-社会と個人を「切る」社会学の可能性についての研究-』(平成21年3月付、全73頁、印刷製本済)を作成した。全体は3章と捕論という構成である。 目次は、以下の通りである。 「はじめに」、第一章「リスクと不安:グローバル化、公共性、連帯」、第二章「「社会的なもの」の純化か終焉か?」、第三章「信頼論の構造と変容:ジンメル、ギデンズ、ルーマン」、補論「Liebe als Passion(N,Luhmann)解釈のためのノートー親密性のメディアー」 第一章では、リスク社会と規範についての概括的導入を行い、その後、第二章ではリスク祉会と道徳・連帯の問題を詳細に検討し、第三章では、これを特にリスク社会における信頼の問題として理論的に検討した。補論は、本報告を貫く論点である個人と社会を「切る」ということの可能性について、ルーマンの業績を参照しながら、「切る」ということの具体的あり方について検討したものである。 本研究によって得られたリスクと公共性、連帯と監視についての社会学的見通しは、次期の研究課題『リスクと監視と個人化の行方-個人と社会を「切りつつ結ぶ」社会学の可能性-についての研究」に引き継がれ、更に論点が深められる予定である。
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Research Products
(4 results)