2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530372
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
堀田 恭子 立正大学, 文学部社会学科, 准教授 (20325674)
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Keywords | カネミ油症事件 / 公害問題 / 棚田保全 / 棚田オーナー / 自然保護 |
Research Abstract |
今年度は主に資料収集とヒアリング調査に重点をおいた。まず、食品公害問題であるカネミ油症事件の支援団体に対するヒアリング調査を行い、現在の被害者を支援するにあたっての、課題点等を聞き取りし、関連する資料を収集した。また人権申し立ての代理人となっている弁護士や問題発生当時から訴訟の原告団の事務局長となっている弁護士の方々にヒアリングをし、これまでの経過とそれにともなう法律学的な問題点、またカネミ油症事件における社会学的な視点についての見解等についてヒアリングを重ねてきた。また過去の裁判資料として、行政側の証言資料、特に国や市町村自治体の資料を収集してきた。被害者側としての損害論を中心とする準備書面等の資料も収集し、現在読み込み・分析の最中である。 また被害者に対するヒアリングはかなり困難であったが、現在のところ、合計で6名ほどの聞き取り調査を遂行することができた。現在、分析中である。 カネミ油症事件以外にも、同時代におきた公害訴訟に関する年表作成や、また自然環境の保全としての棚田保全に関する年表作成を行った。特に棚田に関しては、全国各地でオーナー制度や写真展・イベント等が行われているので、それを中心にどの主体(自治体・営農者・都市住民等)が保全主体となっているのか、主体別に年表作成を行ってきた。 そのほか、白馬村の自然保護問題の研究として八方尾根というコモンズの意味がオリンピックを契機に豊富化したことについて論文を書いたが、現在印刷中であり2007年の発行となる。
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