2007 Fiscal Year Annual Research Report
縦断追跡調査におけるインタビューの構築主義的視角からの検討
Project/Area Number |
17530387
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
南 保輔 Seijo University, 文芸学部, 教授 (10266207)
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Keywords | 社会学 / 社会系心理学 / インタビュー / 調査法 / 変化 / 思い出 / テレビトーク番組 / 相互作用分析 |
Research Abstract |
引き続き、女性3人組に昔の写真を見ながら「思い出」おしゃべりをしてもらった。40歳代と50歳代の3人ずつの協力を得た。これらを含めて、これまでに収集した6セッションの分析を進めた。容貌が変わったという話題以外の、ひとの「内面」の変化を語るものに着目したが、それほど多くはなかった。当時の心情を「じつは、わたし当時部活でいごこち悪かったんだよね」と「告白」する発話が見られた。また、結婚生活への不満を述べる友人に、「大都市出身だったら変わっていたかもね」となぐさめ、はげます発話もあった。「変化」の語りのバリエーションと思われるが、その分析を深めることは今後の課題でもある。この研究は、日本社会学会と日本語データセッション(2007年12月於明治学院大学)で報告した。 アメリカ西海岸のフィールドを訪れ、海外日本人子女の現状を調査するとともに、カリフォルニア大学サンディエゴ校のマイケル・コール教授とアアロン・シクレル教授から研究上のアドバイスを得た。また、アメリカ社会学会に出席し、社会構築主義にたいするエスノメソドロジーの立場からの批判報告などを聞いて研究上の示唆を得た。 テレビのトーク番組を素材とするミクロ相互作用分析も行った。NHK総合の『スタジオパークからこんにちは』と『徹子の部屋』で、同じゲストが数ケ月の間隔で出演した番組を取り上げた。「同じ」話題の語られ方に違いが見られ、その「構築性」を感じることができたが、差異よりも類似性のほうが大きかった。「オリジナルなイベント」とその「語り」との関係については、「真」や「偽」といった二分法的な真理値というとらえかたが不適切であることが示唆された。この結果は紀要論文としてまとめ発表した。 (724字)
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Research Products
(2 results)