2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530429
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
山口 光治 淑徳大学, 国際コミュニケーション学部, 助教授 (90331579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 伸子 東洋大学, 社会学部, 助手
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Keywords | 高齢者虐待 / エンパワメント / 虐待防止 / 虐待予防プログラム |
Research Abstract |
本研究の一年目は、研究推進体制の基礎作りと虐待予防プログラム案策定のための調査を中心に実施した。まず、第1段階として本研究の推進のため、長野市、市川市の行政及び高齢者福祉従事者、研究者等で構成される研究委員会を設置し、研究内容について助言を得られる体制を構築した。そして、第2段階として、高齢者虐待防止を先駆的に取り組んでいる金沢市、大府市、北区、世田谷区、門真市等への訪問調査、高齢者虐待電話相談の相談員へのインタビュー調査を実施し、予防へのアイデアを聴取した。第3段階としては、長野市と市川市、さらに大阪市において保健・医療・福祉関係者の協力のもとフォーカスグループインタビュー調査を実施し、高齢者虐待事例の支援を通して感じている予防に必要なアイデア等を収集した。また、60〜70歳代の元気な高齢者の協力のもと、将来、虐待に出合わないために予防できることや気を付けていることについてフォーカスグループインタビュー調査を実施した。またさらに、高齢者に対する生活不安に関する配票調査を実施し、予防プログラム策定の参考とした。そして、先行研究の分析から高齢者虐待防止に向けて高齢者自身へ社会心理劇を実施している韓国釜山市の老人生活科学研究所を訪問し、その実際を見学してプログラム内容と教授法について討議を実施した。以上の各種調査データを基に、高齢者虐待を高齢者自身の力で防ぐために必要な支援のアイデアを抽出すると、(1)経済的基盤、(2)自分の意思や姿勢、(3)健康であること、(4)人間関係(家族との関係、近隣との関係、他人との関係、地域との関係)、(5)制度やサービスの知識、(6)虐待の知識となった。これらを予防プログラムの主軸に位置づけ、予防に必要なプログラムを具現化し、市川市において試行的に実施した。さらに参加者の評価をふまえて標準プログラム(案)を策定するところまで到達した。
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Research Products
(2 results)