2006 Fiscal Year Annual Research Report
ホームレス自立支援事業における小規模型支援施設のあり方・援助に関する研究
Project/Area Number |
17530444
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
加美 嘉史 大阪体育大学, 健康福祉学部, 講師 (20340474)
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Keywords | 社会福祉 / ホームレス / 生活保護 / 社会的孤立 / 自立支援 / 小規模型支援施設 / 就労支援 / 地域生活支援 |
Research Abstract |
平成18年度については研究実施計画に基づいて、平成18年8月12・13・19・20日に滋賀県大津市において野宿生活からアパートなどの居宅生活に移行した64名を対象とした聞き取り調査を行った。この調査は野宿生活から居宅生活に移行した人々がどのような生活実態にあり、生活問題を抱えているのか、そして今後どのような支援が求められているのかを明らかにすることを目的として行った。 今回の調査結果からは、(1)野宿生活を脱却する際に支援団体が大きな役割を果たしていること、(2)地域社会・公私におけるつながりの希薄さ、(3)社会参加・生きがいのための就労の場づくり、(4)強い健康への不安、(5)日常生活における困りごと・悩みへの支援の必要性などが明らかとなった。野宿生活脱却後においても地域社会で「社会的孤立」の状態にあり、同時に「ソーシャルインクルージョン」の取り組みが必要であることが浮かび上がってきた。今後も地域で安定した生活を継続していくためには、(1)いつでも気軽に日常的に集うことができるデイルームなどのつながりの場づくり,(2)健康状態や体力に応じた就労の場や生きがいの場づくり,(3)ひとり暮らしに不安のある人々の日常生活支援やグループホームづくり,(4)健康や老後への不安に対する健康相談・生活相談の取り組みなどがカギになると考えられる。 なお調査の実施にあたっては「元野宿者支援のための実態調査実行委員会」を研究協力者らと共同で組織し、調査員には地元の地方公共団体関係者、ソーシャルワーカー、NPO職員、民生委員、研究者、大学生など計20名の協力を得た。調査結果は「野宿生活から居宅生活に移行した人々の生活実態と今後の支援課題」として冊子にまとめた。
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Research Products
(2 results)