2007 Fiscal Year Annual Research Report
看護業務におけるリスク回避教育プログラムの開発とその効果測定
Project/Area Number |
17530450
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
臼井 伸之介 Osaka University, 人間科学研究科, 教授 (00193871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太刀掛 俊之 大阪大学, 安全衛生管理部, 助教 (90379222)
和田 一成 平安女学院大学, 短期大学部, 講師 (50413331)
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Keywords | ヒューマンファクター / ヒューマンエラー / 看護 / 医療事故 / 安全教育 / リスク / 事故防止 / 教育プログラム |
Research Abstract |
平成19年度研究の概要は以下の通りである。 本年度は看護業務における違反行動の心理的生起要因の解明に焦点を当てた研究を実施した。実施内容は以下の通りである。 1.看護業務における違反行動の事例収集調査 現役看護師を対象に、違反の実態を把握するため、アンケートによる事例収集調査を実施した。記入用紙には実際に行った、または見た違反事例の内容と理由、およびその頻度、リスク・ベネフィットの程度等を回答するよう求めた。その結果169件の違反事例が収集され、内容、理由についてKJ法を用いて分類するとともに、心理的要因について分析した。違反事例の分類では、21の違反の種類と13の違反要因が得られ、また心理的要因の回答結果から、違反はハイリスク・ローリターンおよび高い抵抗感を感じながら行われていることが見出された。 2.違反生起メカニズム解明に関する質問紙調査 本調査では、現役看護師を対象に、具体的違反事例を提示し、その場面で感じるリスク、ベネフィット、違反行動敢行性を9件法で回答を求めるとともに、それらが急ぎや社会的圧力などの外的要因によっていかなる影響を受けるかについて検討した。200人からの回答を分析した結果、ローリスク・ハイリターンと感じる時、および客観的リスクや客観的ベネフィットが高い状況の時に違反行動敢行性は上昇すること、また急ぎの圧力がかかる状況では違反行動敢行性が一層促進されること等が見出され、違反の心理的生起メカニズムについて多くの知見を得ることができた。
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Research Products
(24 results)