2006 Fiscal Year Annual Research Report
多メディア社会における情報チャネル選好と社会的現実の形成との関連
Project/Area Number |
17530453
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
川浦 康至 東京経済大学, コミュニケーション学部, 教授 (10214595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 善郎 成城大学, 文芸学部, 教授 (00146268)
柴内 康文 同志社大学, 社会学部, 助教授 (60319457)
北山 聡 東京経済大学, コミュニケーション学部, 助教授 (30327176)
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Keywords | インターネット / 情報行動 / コミュニケーション行動 / 就職活動 / 乳ガン / 対人情報 |
Research Abstract |
最終年度に当たる今年度は、「就職活動における情報コミュニケーション行動」調査を行った。昨年度からの乳ガン経験者への個別インタビューも引き続き、実施した。 前者の本調査は2回からなるパネル調査である。第1回は大半の学生が就職活動を始める(2006年)11月、第2回は就職活動が本格化する(2007年)2〜3月に、それぞれ行われた。対象者は首都圏と地方の大学45校に在籍する3年生800名である。第1回調査、第2回調査ともに集計・分析中であるが、第1回調査からは以下のことがらが明らかになっている。(1)就職活動の情報源として最も利用されているのが就職支援サイトであり、支持もされている。(2)就職活動が進んでいると考える学生ほど、ネット上の情報に対して肯定的である。(3)就職活動の進んでいる学生は、企業の重視する新卒者の採用条件や求人倍率を的確に把握していて、かれらの社会的現実は実態に近い。(4)就職活動の進んでいる学生は、ネット情報と対人情報ともに利用頻度が高い。(5)就職活動の進んでいる学生ほど、対人コミュニケーション場面でも、就職を話題にすることが多い。(6)就職の見通しと就職活動の進展との問には関連がみられない。 乳ガン経験者へのインタビューからは、ネット情報と対人情報との相互参照の重要性が明らかになっている。情報の一般性、および病状の個別性が、その背景にある。 多様なメディアが利用可能な状況であっても、実際に人びとが利用するメディアは限られ、対人コミュニケーションは社会的現実の形成に欠かせない。 昨年度の結果の一部は、昨年の日本心理学会で報告した。本年度の研究成果は、報告書および日本心理学会大会で報告する予定である。
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