2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業に国際インターンシップが与える人材経営面における長期的効果の考察
Project/Area Number |
17530456
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
桝本 智子 神田外語大学, 外国語学部, 専任講師 (00337750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 吉郎 青山学院大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (70129196)
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Keywords | 国際インターンシップ / 異文化間コミュニケーション / 異文化組織経営 |
Research Abstract |
研究目的である国際インターンシップが企業に与える影響、及び、インターン経験が及ぼす長期的キャリアへの影響を調査するため、一年目である本年度はインターンシップの現状実態調査を行った。1991年から米国政府の支援を受け発足した理工系大学院生向けのインターンシッププログラムであるJITMTプログラムに加盟していたワシントン大学、ユタ大学、ニューメキシコ大学のセンターを訪問し、インターンシップの現状を調査した。その結果、2003年頃よりの米政府の日米センター運営予算が削減されたことにより、日本企業に送り出すインターンの数の減少が見られた。また、インターン経験者のその後の連絡先を把握することも経済的にも難しいという現状が浮かび上がってきた。JITMTに直接関わっていないその他の3つのセンターも訪れ、担当者への調査を実施した。マサチューセッツ工科大学では現在も定期的にインターンを日本に送り出し、また、企業との連絡も大学独自に行っている。スタンフォード大学では学部生を対象にインターンシップを行っており、京都にある研究センターをベースに企業研修前の語学研修を実施しており、ここも独自に受け入れ先企業を確保している。全カナダ大学連合ではカナダ全土の大学から学部生がインターンシップに参加しているが、本国での企業研修経験が日本でのインターンシップ参加条件となっており今後調査対象としての可能性があることがわかった。本年度のインタビュー調査実施は下記の通りである。 インターンシップ参加機関 6カ所 (ワシントン大学、ユタ大学、ニューメキシコ大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学、ブリティッシュコロンビア大学) インターンシップ経験者 11名 (ワシントン大学:4名、ユタ大学:5名、ニューメキシコ大学:2名、マサチューセッツ工科大学:1名) 日本企業 1社 (研究所系) 調査対象者の数は制限されているものの、インターン経験者は研修終了後も目本で就職した1名を含み80%以上が企業研修内容、または日本とのつながりのある生活を送っていることがわかった。現在、調査過程ではあるが、日本企業での研修の成功率は動機がキャリアに結びついたもの(将来へのステップアップ、専門技術を身につけたい等)よりも個人的な興味(日本語、日本文化、日本企業の組織運営等)の方が高いのではないかということが推測される。これらの点については、次年度に予定されているカナダのインターン経験者に対するアンケート調査、及び、アメリカの大学出身のインターンへのインタビューを分析することで明確にしていくことを視野にいれている。
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