2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業に国際インターンシップが与える人材経営面における長期的効果の考察
Project/Area Number |
17530456
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
桝本 智子 Kanda University of International Studies, 外国語学部, 准教授 (00337750)
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Keywords | 異文化間コミュニケーション / 国際インターンシップ |
Research Abstract |
前年度よりカナダ大学連合からなるCOOPプログラムの協力を得て行っていたインタビューを続行した。アメリカからの研修生に比べ、中国系移民や英語を母国語としない研修生からの貴重な経験を聞くことができた。COOPプログラムの特徴として、正式なネットワークではないが、研修時にインターン同士メールでの連絡や近隣のインターンで集まる機会があり、環境適応への役割が大きいことがわかった。職場、職場外に関わらず文化・環境の違いから様々な問題が出てくるが、同様の環境に置かれたインターン同士でのネットワークが特に最初の3ヶ月ほどは重要な役割を果たしているということが判明した。この"サポートシステム"の有無により1年間の研修期間の成果も変わるのではないかということが予測できる。 キャリア面では、すべての研修生がその後大学院を修了しカナダ国内での就職を果たしている。日本企業との関連性は見られないが、全員が研修先の規模や研修内容から現在の職業を選択していた。 総括的には、研修中の上司からのフィードバックが明確でない点、研修生としての位置づけが不明確な点が不満な点として挙げられたが、仕事以外での社会との交流を持つことが文化・環境適応を潤滑にするということが強調されていた。また、長期的に研修内容がどのようにインターンのキャリア選択に影響を及ぼしたかに関しては、職業がそのまま一致するケースは全体的には低いが、研修内容によりキャリア選択の決断内容につながったケースは約6割ほどである。また、なんらかの形で日本との関連を持っているケースはほとんどである。今後の課題として、自国の社会での位置づけが文化・環境適応にどのように影響するのか、また、受け入れ側にもそれがどのような影響を及ぼしているのかをさらに詳しく調査する必要性力が出てきた。
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Research Products
(2 results)