2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530457
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Chiba Institute of Science |
Principal Investigator |
王 晋民 千葉科学大学, 危機管理学部, 助教授 (10302431)
|
Keywords | 組織的不正 / 内部告発 / 個人心理特性 / 不正行為 |
Research Abstract |
本年度(平成17年度)は、二つの側面からで内部告発に関する態度と通報行動傾向についてデータを収集し、検討した。 まず、研究1では、不正行為に対する通報行動傾向に関わる個人心理特性について検討し、場面想定法による実験調査を行った。その結果、自己効力感、自尊感情、権威主義などの個人心理特性が不正への反対行動や通報行動との関連性が示された。これらの結果に基づいて内部告発行動のモデルの構築を試みた。今後は、様々な不正行為の場面での通報行動に対して、実験社会心理学的な手法を含めて多角的に検討し、モデルの精緻化を行う予定である。 研究2では、主に有職者の内部告発に対する態度と行動傾向における変化と法整備との関連性を検討するために、「公益通報者保護法」(平成18年4月から施行)の施行前においてインターネットを利用した社会心理学調査を行った。調査対象者は関東地方(1都6県)在住の有職者とし、内部告発や内部告発者に対する態度、内部告発者を保護する法律に対する認識と態度、本人の通報行動傾向、そして個人の心理特性や職場の特性などの角度から検討した。これらの結果は、最終年度(平成19年度)に予定される2回目の調査結果と比較し、法整備など社会的環境の変化による内部告発に関する態度と行動への効果について検討する計画である。 研究1の一部は第64回日本心理学会大会において発表を行った。また、本年度で得られたデータをより詳細に分析し、次年度で開催される国際応用心理学会、日本心理学会、産業・組織心理学会にて発表する予定である。
|