2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530457
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Research Institution | Chiba Institute of Science |
Principal Investigator |
王 晋民 Chiba Institute of Science, 危機管理学部, 准教授 (10302431)
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Keywords | 組織的不正 / 内部告発 / 社会心理学 / 組織心理学 / 危機管理 / 状況的要因 / 個人心理特性 / 内部告発者保護法 |
Research Abstract |
■研究目的 組織的不正を検挙・抑止するために適切な内部告発制度を構築するために、社会心理学・組織心理学の観点から(1)「公益通報者保護法」の施行の前後の内部告発に対する態度と通報行動傾向を調べ、法律の施行と社会環境変化による影響を明らかにする;(2)内部告発の心理モデルを構築する;(3)心理学の立場から組織的不正を検挙・抑止するための手段としての内部告発制度を健全化する方法を検討し、内部告発制度と教育プログラムに対する提言を行う ■平成19年度の研究成果 (1)有職者の内部告発に関する態度と行動傾向に関する縦断研究 「公益通報者保護法」施行後の第2回社会調査を実施した(調査対象者2060人、有効回収数845人)。同法施行前の第1回調査の結果と比較し、有職者の内部告発に関する意識の変化が見られ、内部告発を行う必要性の評定値がより高く、また内部告発者を保護する必要性の評定値がより低いことが明らかになり、同法の施行前後の社会的状況との関連性についての検討が行われた。 (2)内部告発について内部告発の態度と通報行動傾向の影響要因に関する実証研究 内部告発に対する個人的な心理特性や組織文化や組織形態など環境要因について多角的に検討した。特に、内部告発を行う者に対する印象を検証するために、「内部告発者」の異なる表現を用いて有職者や大学生を対象者として調査し、内部告発者の印象と内部告発への意識や行動傾向との関連性を検討した。その結果、「内部告発者」より「公益通報者」に対して「気長な」の評定値が有意に高いことなどが見られたが、全体的に「内部告発者」に対する負の印象が特に強いことは見られず、内部告発者は社会的に受容されていることが示唆された。 (3)平成17年度から開始した縦断研究と影響要因に関する研究の結果を含めて検討し、内部告発に対する意識と行動の心理学モデルを構築した上で、内部告発を組織的不正に対する有効な手段として活用できる方策について提言した。
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Research Products
(4 results)