2005 Fiscal Year Annual Research Report
大学生における不適応予防プログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
17530459
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
坂本 真士 日本大学, 文理学部, 助教授 (20316912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西河 正行 大妻女子大学, 人間関係学部, 教授 (50218137)
及川 恵 兵庫大学, 健康科学部, 講師 (60412095)
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Keywords | 社会系心理学 / 精神保健 / 予防 / 抑うつ / 不適応 / 大学 / 実践研究 / 臨床心理学 |
Research Abstract |
本研究を構成する3課題の,本年度の研究実績は以下の通りである。 課題A(教育活動の一環としての精神的不適応予防プログラムの実施,効果の検証)については,平成17年度前期に2大学(大妻女子大学,兵庫大学)において,作成した予防プログラムにそって,授業内で実践研究を行った。その結果,受講者の満足度は高く,授業内容も良く理解されていた。予防の効果については現在分析中であるが,概ね良好な結果を得た。すなわち,落ち込んだとき適切な対処行動をとることについての自己効力感が,予防プログラムを受講した学生において,受講しない統制群と比べて有意に改善していた。一連の結果については,来年度中に学会および論文にて発表する予定である。 課題B(学生相談室を中心とした予防プログラムの検討と提唱)については,どのような取り組みが,いつ頃,どのような目的で,どのような実施母体によって行われているかなどについて,国内外の文献およびホームページからの情報をレビューした。学生における不適応予防に関して積極的なとり組みを行っている国内の大学をピックアップし,来年度に予定している実地踏査への資料を作成した。 課題C(学生の援助希求行動の調査)については,学生相談室が完備されている程度が大学によって異なるという事情を考慮し,学生相談室の利用に関する調査を断念した。代わりに,うつ病発症時の学生の援助希求行動について調べた。すなわち,うつ病の代表的な治療法である心理療法と薬物療法の2つに絞って,学生を対象にイメージ調査を実施した。その結果,効果が実証されている薬物療法には嫌悪感が強い一方で,心理療法(カウンセリング)のイメージがよいことが示された。研究結果の一部は,本年度の社会精神医学会にて発表した。
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Research Products
(4 results)