2005 Fiscal Year Annual Research Report
集団間関係の視点からみたステレオタイピング、偏見の社会心理学的研究
Project/Area Number |
17530460
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
松崎 友世 日本女子大学, 人間社会学部, 学術研究員 (80398883)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 道子 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (40083216)
|
Keywords | 偏見 / ステレオタイピング / 相互依存関係 / 再カテゴリー化 / 集団間関係 / 内集団ひいき |
Research Abstract |
本研究では、社会的問題としてクローズアップされている偏見、そしてその背景にあるステレオタイピングの問題を、集団間関係から検討することを目的とした。今回、集団間関係の要因として集団間の類似性を取り上げ、内集団・外集団の集団認識、特にステレオタイピングにどのような影響を与えるか検討した。さらに現実の企業合併などでみられる複数の集団が上位レベルで1つの集団になる状況を想定して、協同作業における集団間の相互依存関係、課題の成果が内集団・外集団の集団認識にどのように影響するかについて検討を行った。 まず集団間の類似性がステレオタイピングに与える影響を検討するため、内集団、外集団の変動性知覚および集団間評価の方向性について実験的検討を行った。その結果、集団間の類似性が低いほど、外集団の変動性を内集団よりも小さく知覚し、外集団均質化効果が認められた。この結果から、内集団との違いが大きな集団ほどステレオタイピングされやすいことが示唆された。 次に複数の集団が上位レベルで1つの集団になるとき(認知的なものも含む)、集団間の相互依存関係や課題の成果が、集団認識、集団間バイアスに与える影響について検討した。ここでは相補的な相互依存関係と相補的でない相互依存関係の違い、さらに協同作業が成功あるいは失敗することの影響をみた。その結果、相補的な相互依存関係の場合、成果が成功、失敗にかかわらず、内集団、外集団に対する評価は同程度に高く、集団間のバイアスはみられなかった。しかし、相補的でない相互依存関係の場合、失敗すると内集団と外集団の評価に差がみられ、内集団ひいきが認められ、集団の相互依存関係の効果が示唆された。 これらの研究に関して日本社会心理学会第46回大会において発表を行った。
|
Research Products
(2 results)