2006 Fiscal Year Annual Research Report
集団間関係の視点からみたステレオタイピング、偏見の社会心理学的研究
Project/Area Number |
17530460
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
松崎 友世 日本女子大学, 人間社会学部, 学術研究員 (80398883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 道子 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (40083216)
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Keywords | 偏見 / ステレオタイピング / 再カテゴリー化 / 合併企業 / 集団間関係 / 内集団ひいき / 上位集団アイデンティティ |
Research Abstract |
本研究では、社会的問題としてクローズアップされている偏見、そしてその背景にあるステレオタイピングの問題を、集団間関係から検討することを目的とした。 現実の社会における偏見、ステレオタイピングの問題を含む集団間関係として合併企業があげられる。合併企業は、複数の企業組織が共通の目的を達成するため新たな1つの集団となった組織である。しかし1つの新しい集団になる過程(新しい集団(上位集団)へのアイデンティティを獲得する過程)において、成員の様々な心理的要因、集団構造の要因、旧集団の勢力関係などから上位集団アイデンティティの獲得が困難であることや旧集団間でのコンフリクトが見られることがある。 今回、ある合併企業(2社の合併)を対象とし、上位レベルで1つの企業組織になる過程における上位集団へのアイデンティティの獲得、旧外集団(合併相手企業組織)への偏見、ステレオタイピングの生起について検討を行った。ここでは上位集団アイデンティティ獲得に影響を与える要因として、組織文化認識の差、現段階での旧組織間の相互依存関係(混ざり合っている程度)、現組織の構造等をあげ検討を行った。まず、もともと別企業であった両組織の旧組織文化は明らかに異なることが明らかになった。そのような組織文化認識の中で、現組織の組織文化と旧組織の組織文化の差の認識に注目すると、差が小さいと認識している社員ほど現組織のアイデンティティ(上位集団アイデンティティ)が高くなっていることが明らかになった。さらに文化差認識の小さい社員のほうが旧外集団への偏見も低くなっていることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)