2005 Fiscal Year Annual Research Report
登校行動要因の検討と不登校予防モデル構築のための実践研究
Project/Area Number |
17530487
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菅野 純 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80195180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 陽子 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (40409701)
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Keywords | 不登校 / 登校行動 / 登校行動持続要因 / 精神的充足 / 社会的適応力 / 相談室・保健室登校 / 不登校の予防 |
Research Abstract |
平成17年度は、「不登校にならなかった理由」を記述した自由記述回答をテキストマイニングにかけ、登校行動の解明のために探索的に「登校行動持続要因」を検討し、タイプ分類を行なった。 その結果、調査対象者は行動持続要因として「人間関係」「学校内の出来事」などを強く自覚していることがわかった。加えて、それらの要素の共通項を見つけ出しさらに分類した結果、「自己成長体験」「プラスの自己イメージ」「スキルの獲得」「プラスの学校体験」「環境による支え」「生き抜くことへの意志」が得られた。この6つの要因は、それぞれ調査対象者に登校行動を持続させたファクターであり不登校抑止への重要な構成要素となりうることが示唆される。なお、以上の結果は日本教育心理学会総会にて発表済みである。 加えて仮説の中で登校行動持続要因の1つとしてとらえている「心のエネルギー(精神的充足)」および「社会的能力」を測定するKJQ尺度の継続的研究も同時に行なっており、この成果は日本健康心理学会や日本教育心理学会で発表済みである。具体的には、相談室・保健室登校の子どもたちの「精神的充足」や「社会的能力」を測定しワークブックを行なうことで、子どもたちが自覚的に心を整理したり自己理解能力を高めることが出来ること、また、集団の構造を明らかにすることによって、孤立・いじめ・問題行動のクラスにおける構図を明らかにすることが出来ることが示唆されている。 さらに上記の結果を踏まえて、年度末には臨床実践の場で活躍しておられる諸研究者とともに「発達・臨床心理学実践と学校教育-不登校をめぐって-」と題したシンポジウムを開催し、広く意見交換を行い、より実践的な不登校予防研究を行なうための連携に努めているところである。なお、来年度は、より実行力のある不登校予防モデル構築のために、実際の学校や関係諸機関に介入調査を行なう予定である。
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Research Products
(12 results)