2007 Fiscal Year Annual Research Report
登校行動要因の検討と不登校予防モデル構築のための実践研究
Project/Area Number |
17530487
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菅野 純 Waseda University, 人間科学学術院, 教授 (80195180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 陽子 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (40409701)
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Keywords | 不登校 / 登校行動 / 登校行動持続要因 / 精神的充足 / 社会的適応力 / 相談室・保健室登校 / 不登校の予防 |
Research Abstract |
平成19年度は、前年度に引き続きテキストデータマイニングによる「登校行動持続要因」の分析を行った。特に、一連の登校行動持続要因に関する研究の中でも「他者との葛藤」や「プレッシャー」などこれまで否定的に捉えられがちであった要素に注目し探索的に分析した。 その結果、「他律的登校姿勢」「社会的葛藤」「学校生活上の克服課題」などのクラスターで否定的な意味の溝成要素が含まれ、また頻出構成要素上位3語の直後に置かれた構成要素をカテゴリー化した結果、<相談要素>/<安心要素>/の<サポート要素>等の積極的の要素と同時に、<意地要素>/<名目要素>/<他者中心的要素>等の消極的の要素が抽出された。以上の結果から、従来むしろ不登校に近い要素と考えられてきた「社会的葛藤」や「学校生活上の克服課題」などの要素にも登校行動持続要因の働きがあり、かつ登校行動持続要因として語られたものの中にはアンビバレントな文脈で用いられている要素があることが明らかとなった。 さらに、これら構成要素を含む質問項目を作成し、2008年6月および2008年2月に東海地区の中学2年の男女210名にアンケート調査を行ったところ「友人関係」や「仲間関係」に関係する記述および「自分自身の興味や意志・意欲」が、学校に通い続ける理由として強く意識されていることが明らかとなった。また、「意地」や「プライド」、「心の強さ」などが登校を持続させる要素として多くの生徒に選ばれる傾向が見られた。さらに、第1回、第2回の調査を比較した結果、中学2年生の後半には勉強と勉強以外の楽しみ(息抜き)の項目がそれぞれ20ptほど増加傾向を示していたことから、これらの充実のバランスを保つこと、あるいは双方を持っていることが重要であることが生徒たちを継続的に学校へと向かわせる大きな支えになっていることが示唆された。
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Research Products
(10 results)