2007 Fiscal Year Annual Research Report
「文字ストローク」の「動きイメージ」が単語認知に及ぼす影響-基礎的実験研究
Project/Area Number |
17530491
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
梶田 正巳 Sugiyama Jogakuen University, 教育学部, 教授 (70047231)
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Keywords | 認知 / 単語認知 / イメージ / 記億 / 動きイメージ / 動きの認知 |
Research Abstract |
「文字ストローク」表示の実験材料としてカタカナ語を使い、「動きイメージ」をディスプレイに示すソフトウエアを利用して「動きイメージ」を生成した。筆順動作の表示は本研究の基礎段階であるが、参照モデルがないために、以下のような考え方に従って「動きイメージ」を表示した。カタカナ語の各ストロークをパーツに二分し、パーツ間のtime-intervalを20mm.sec.でコントロールし継時的に提示すると、「動きイメージ」を表すことができる。この方法で実験してわかったことは、被験者には、調査の結果、筆順動作がやや不自然に映るということであった。そして、問題はカタナカ語の筆順イメージの不自然さが、カタカナ語の認知活動、すなわち、記憶に大きな影響を及ぼす可能性が出てきたことである。本研究を進めるに当たって、カタカナ語の筆順動作、文字ストロークの動きの不自然さを縮減することが、当初は予想できなかった研究の出発点となった。 「文字ストローク」を自然な動きにするために、ストロークのパーツ間隔を異なったタイム・インタバルでコントロールすることが不可欠になり、その基礎的研究をすることとなった。本研究は大幅に遅れたが、「文字ストローク」の「動きイメージ」を自然に提示するため新しい基礎研究をはじめた。カタナカ語を修得した人に刺激語を書いてもらい、ストロークごとの「動きイメージ」を収集した。自然な筆順の「動きイメージ」とは、学校教育においてカタカナ語を勉強する過程で習得されるものであり、文字学習の過程と一体になった研究をしなければならない、という問題意識が生まれた。具体的研究では、カタカナ語の文字ストロークをビデオ録画して、動きイメージを収集し、端的にまとめると、ストローク内のパーツ間time-intervalを動きの遅い時は40mm.sec.でコントロールすると、当初の不自然な動きイメージは可なり解消されることが実証的にも確かめられることとなった。本格的研究は遅れることとなったが、「文字ストローク」の「動きイメージ」の認知的処理の理論は間違っていないと考えているので、学会専門雑誌に理論編を発表することにしている。
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