2005 Fiscal Year Annual Research Report
元ハンセン病患者のスティグマと喪失体験に関する研究
Project/Area Number |
17530507
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
播磨 俊子 神戸大学, 総合人間科学研究科, 教授 (80125195)
|
Keywords | ハンセン病 / 喪失体験 / スティグマ / 自己回復 / 人生の物語 |
Research Abstract |
初年度は療養所での実際の生活に触れ、元患者の方への負担をいかに軽くしながら面接できるかを探ることが大きな目的の1つであった。そうした点に留意しつつ以下の点について研究計画を実施した。 1.「らい予防法違憲国家賠償請求事件」判決文(2001)、ハンセン病検証会議報告書(2005)について、論点と元患者の被害の実態の整理をするとともに、元患者の気持ちのあり方について整理した。 2.「らい予防法違憲国家賠償請求事件」裁判の原告として、ハンセン病検証会議での証言者として、あるいは著作などをとおして、すでにcomming outされている元患者について、公になっている文献から以下の項目について個人ファイルを作成。項目:氏名(仮名、本名)、生年月日、現在の住所、発病月日・歳、入所月日・歳、初めての入所施設名、退所・転園記録、結婚、断種・堕胎体験の有無、障害の程度等 3.全国13ヶ所の国立療養所のうち、長島愛生園、多摩全生園、栗生楽泉園、松丘保養園、東北新生園、奄美和光園、星塚敬愛園、宮古南静園、沖縄愛楽園の10園について訪問した。訪問は職員の方からの説明、入所者自治会の方との懇談、施設見学が基本的な内容であった。各園によって対応や状況が異なり、園毎の固有の課題等にふれることができた。 4.高齢化の中で、comming outされている元患者の方にプロミン以前の発病・入所経験者は逝去もしくは病を得ておられることも多く、面談のむずかしさが実感された。面談可能な元患者の方について面接を先行させていく計画を作成する必要を再認識した。
|