2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者のための心理療法の開発とその実際的展開-包括的セラピーを中心に-
Project/Area Number |
17530513
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
原 千恵子 東京福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (30320823)
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Keywords | 認知症高齢者 / 包括的セラピー / コラージュ療法 / ナラティブ / 介護予防 / 美容セラピー / 認知訓練 |
Research Abstract |
これまで5年間に実施してきた認知症高齢者のセラピーで得た結果は、1、包括的セラピーとして心身へ働きかけた。2、ウォーミングアップから主たる治療へ導入した。3、主たる治療では、高齢者にとって体験したことの再生や得意なことを実施した。4、達成感がある内容により、やる気をひきだせた。5、他者に承認されることで自己効力感を得ることができた。6、セラピストの受容的、支持的な接し方で対象者の情緒が安定した。などであった。つまり、認知機能の向上をめざしての単なるドリル訓練では痴呆予防とはならないし、ドリルによる認知訓練はかえってストレスを生みかねない。そこで今回、認知症高齢者のセラピーとしてナラティブによるコラージュ療法を実施し、認知症高齢者がコラージュを制作する課程で語る言葉を聴き、作品とともに内面理解につとめた。結果をまとめ学会誌に投稿した。従来から引き続いて実施している自律訓練法、認知訓練などをさらに続け、まとめてこれも学会誌に投稿した。 本研究の中心である「高齢者への介護予防」としての心理治療の内容を考えるにあたり、該当年齢の人がどのような考えをもっているかを把握するために「ケアを学び予防に生かす-元気をつらぬく-」と題してシンポジュームを実施した。内容は1、おしゃれでいきいき輝く2、ITを使って介護予防にチャレンジ3、ギャンブルで認知予防4、後見人という介護予防5、介護予防-人のお世話にならないために6、「暮らしの中の健康づくり」やさしい体操7、美容セラピー8、交流会などでシンポジストの話しに対して、アンケートによる回答を求めた。その結果についてはまとめて発表する予定である。
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