2007 Fiscal Year Annual Research Report
ハイリスク乳児の臨床心理査定による学齢期までの追跡と軽度発達障害の早期発見の検討
Project/Area Number |
17530520
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
武藤 久枝 (松尾 久枝) Chubu University, 人文学部, 教授 (20290158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二村 真秀 愛知医科大学, 生殖・周産期母子医療センター, 教授 (50125077)
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Keywords | 臨床心理査定 / 母子面接過程 / 追跡研究 / ハイリスク児 / 軽度発達障害 / 発達支援 |
Research Abstract |
最終年度として、ハイリスク児の幼児期から学齢期までの認知機能の縦断的変化の分析と臨床心理査定の分析を中心に行った。縦断的変化の分析では、ハイリスク児の4歳時、6歳時、9歳時の田中ビネ-検査、WISC-R、WISC-III知能検査の変化のパターンによって類型化を行い変化の要因を検討した。その結果、4歳から6歳で上昇する場合は動作性下位項目の上昇が関与して言語性検査下位項目と言語性IQが上昇している可能性とその結果、言語性IQと動作性IQとが統合される可能性とが示唆された。6歳時と9歳時では顕著な変化はみられなかった。ハイリスク児の幼児期後期では推論や抽象思考などの言語機能の上昇が中心となる時期と考えられる。臨床心理査定の分析では、ハイリスク児の9歳時のWISC-R、WISC-III知能検査と人物画検査項目との関連をみた。認知機能と人物画検査とは動作性IQ、動作性下位項目を中心に高い関連を示し、全検査IQをとの関連も高かった。性差もみられた。臨床心理査定としてはWISC-R、WISC-IIIでは認知機能を把握しているのに対して、人物画検査では描画能力、情緒的指標を把握していると示唆された。軽度発達障害の早期発見のためには、1歳までのコミュニケーション行動や象徴機能の特徴に気づくことが重要であり、それ以降の動作模倣や言語獲得の経過、および幼児期前期の心理査定における発達検査項目の種類と実施年齢の結果によって早期発達支援の方略を考えた対応が必要である。
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Research Products
(4 results)