2008 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ心理物理学の発展を目指した、バイオロジカルモーションと反応時間の研究
Project/Area Number |
17530528
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 周司 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (10239600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 善一 茨城大学, 理工学研究科, 准教授 (70305415)
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Keywords | スポーツ / 心理物理学 / バイオロジカルモーション / 追従 / 反応時間 / サッカー / ラグビー / テニス |
Research Abstract |
本研究の目的は、スポーツ心理物理学の研究対象・方法論を発展させ、(1)スポーツ選手の身体運動を複数の光点で表現した刺激(以下、バイオロジカルモーション刺激)に対する認知特性の検討、(2)視標追従中の反応時間の測定、を行うことであった。 本年度は、(1)に関しては、昨年度からのサッカーとラグビーの研究に加え、テニスのフォアハンドストロークに関する研究を行った。サッカーの研究では、ペナルティキックを蹴る選手の動作のバイオロジカルモーション刺激を用いて、時間的遮蔽法と空間的遮蔽法の実験を行った。その結果、熟練選手の予測はインパクト前250msecから150msecの間の蹴り足と腰の動きに左右されることが明らかになった。ラグビーの研究では、走ってくるラグビー選手が左又は右に進行方向を変える動作のバイオロジカルモーション刺激を用いて、時間的遮蔽法と空間的遮蔽法の実験を行った。その結果、熟練選手は主に上半身や腰の動きを見て進行方向の予測をしていることが分かった。テニスの研究では、熟練選手がフォアハンドでボールを左右或いは上(ロブ)に打つ動作のバイオロジカルモーション刺激を用いて、時間的遮蔽法の実験を行った。その結果、実際の映像と同様、バイオロジカルモーション刺激でも熟練選手の方が一般人よりも方向の予測が正確であることが分かった。 (2)に関しては、反応時間を閾値と感覚量の増分で説明するモデルを用いて、追従速度と反応刺激の位置が反応時間に及ぼす効果を検討した。その結果、追従速度の効果は閾値の変化を、刺激位置の効果は増分の変化を主に反映することが明らかになった。 以上の研究成果はInternational Congress of Psychology第24回大会(ベルリン)、日本心理学会第72回大会(札幌市)、電子情報通信学会ヒューマン情報処理研究会(那覇市及び仙台市)などで発表し、現在投稿論文を執筆中である。
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Research Products
(7 results)