2006 Fiscal Year Annual Research Report
英国高等教育資格課程における専門キャリア開発の基準と構造に関する研究
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17530558
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 かおり 新潟大学, 大学教育開発研究センター, 助教授 (80323997)
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Keywords | FD / 高等教育 / 新任教員研修 |
Research Abstract |
本研究は、英国の大学教員開発(Academic Staff Development)の根幹である高等教育資格課程(以下PGCHE)における教員の専門キャリア開発の基準およびその開発の構造を明らかにすることを目的とした。 研究の計画は、主に、(1)文献その他資料の分析による理論的研究、(2)英国の高等教育機関における、PGCHEのプログラム開発等に関する実態調査(海外調査)、(3)(1)(2)の結果分析によって進められた。 結果として、次のようなことが明らかになった。 英国の教員開発においては(1)教育活動(learning and teaching)、(2)研究活動(research)、(3)管理運営活動(administration)、各々の専門的能力の開発が行われている。中でも(1)に関しては、国レベルでの「専門性基準枠組み」が、教員支援のための第3者的機関である高等教育アカデミー(HEA)を中心に2006年に制定され、同機関によるプログラム認定も行われている。 新任教員の正規採用条件となっているPGCHEは、専門性基準枠組みに基づくHEA認定によるプログラムであり、教員の教育活動の専門性を育成するコアプログラムである。この大学院レベルの2,3年のパートタイム課程は、教員が所属機関・部局の教育目標や専門分野のベンチマーク等の大学教育基準に照らして教育を計画し、実行、記録し、その成果を証拠をもって省察し継続的に改善を行うことを修得することに重心が置かれている。これは、換言すれば、自らの教育活動をいわば実証的な研究プロジェクトとして取り組むというプロフェッショナル(専門家)としての基本的な知識、スキル、態度(価値観)を培うことを意味する。さらにこの一連の活動は、個人的レベルのみならず、教育担当ユニットや同分野のグループなど、多様な教員集団の開発へつなげられ、学習コミュニティとしての大学形成の基盤と捉えられており、その背景に、知識社会における英国大学教育の戦略的なリーダーシップ志向があることが明らかになった。
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