2006 Fiscal Year Annual Research Report
ものづくり産業における技術革新に伴う企業内教育の再編と能力開発に関する実証的研究
Project/Area Number |
17530577
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
永田 萬享 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70155935)
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Keywords | 新入社員教育 / 階層別教育 / 職能別教育 / 職能資格制度 / 技能・技術教育 / OffJT / インフォーマルな教育 / 人の扱い方 |
Research Abstract |
平成18年度は鉄鋼業と自動車産業を取り上げ、そこにおける企業調査と企業内の教育機関調査を実施した。これらの調査を通して、教育訓練の展開とその特徴について以下の事実を明らかにした。 (1)鉄鋼業の場合 (1)まず、新入社員教育について、B製鉄所では、ここ数年技術系の高卒社員は採用していないが、高卒技能系の社員は20〜50名程度採用している。高卒技能系の新入社員教育はまず2週間にわたる「導入研修」から始まる。そこでは、「会社の概要」や「社会人の基本とか労使関係」について教育が行われる。それが終わると所内の整備訓練センターで「新入社員整備研修」の「基礎研修」が3ヶ月間実施される。この間に安全教育、規律訓練、整備技能教育、基礎技能教育を受ける。(2)次に、階層別教育に焦点を当てて職能資格制度とのつながりをみると、昇進・昇格管理は階層別教育と密接にリンクして、形成・維持されてきたのであるが、1997年の新人事制度導入以降、職能資格制度は階層別教育以外の教育訓練とのつながりを深めていく。(3)職能別教育に関しては、階層別教育に比べて、相対的に技術、技能に関わる教育が重視される傾向にある。(4)職場レベルのインフォーマルな教育が拡大しており、OffJTが行われていることである。 (2)自動車産業の場合 自動車産業における生産技術の発展は、万能機→トランスファーマシン→専用機→単能機という展開をたどってきた。この労働過程の技術的変革に規定されて、ライン労働は単純化が進展した。そのために、教育課程の構成部分は技能・技術教育ではなく、「人の扱い方」が中心を占めている。
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Research Products
(1 results)