2006 Fiscal Year Annual Research Report
わが国の新教育・文化教育学における神智学的思想の影響とナショナリズムとの関係
Project/Area Number |
17530583
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
衞藤 吉則 広島大学, 大学院文学研究科, 助教授 (60270013)
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Keywords | 神智学 / 新教育 / シュタイナー教育 / ナショナリズム / モンテッソーリ |
Research Abstract |
本年度は、まず、平成17年度から継続してきた神智学とわが国のナショリズムとの関係を、大川周明と道会(松村介石主催)の思想を中心に解明した。つぎに、神智学の日本への受容をさらに究明すべく、わが国の神智学関係者と交流をし、神智学の日本的な受容の経緯を知る情報と資料を収集した。とりわけ、神智学関係の文献を所蔵する竜王文庫における関連文献の購入・複写をおこない、関係者からは専門的知識の提供を受けた。 研究成果の発表として、(1)2006年8月7日:モンテッソーリ教育学会シンポジウム「人格形成と環境」にて、「モンテッソーリ、シュタイナー、そして神智学」と題して講演(この講演と内容は8月25日付けの山陽新聞に掲載)、学会誌『モンテッソーリ教育』(第39号)に論文「モンテッソーリ教育思想にみる神智学的パラダイム-シュタイナー教育思想との接点」を掲載予定。(2)9月18日:教育思想史学会コロキュウム「シュタイナー教育思想の現代的意義を問う」にて、「シュタイナー教育思想の現代的意義」と題して発表、学会誌『近代教育フォーラム』(第16号)に、論文「『垂直軸』の人間形成モデルとしてのシュタイナー教育思想」が掲載予定。(3)7月31日:西日本応用倫理学研究会第4回例会にて、「シュタイナー思想の現代的意義」と題して発表。(4)10月28日:広島哲学会(平成18年度学会)にて、「シュタイナーの人智学における現代的意義」と題して発表。(5)12月27日:広島大学応用倫理プロジェクト研究センター第2回例会(大庭健科研研究会との共催)にて、「神秘主義に基づく教育のひとつの形-ルドルフ・シュタイナーの人智学とヴァルドルフ教育」と題して発表。他に、実践的な活動として、(6)11月17日:平成18年度岡山県臨地実習施設連絡会議にて、「看護基礎教育における人間形成に関わる教育実践とは-モラールと人間形成」というタイトルで講演。(7)2007年1月31日:広島大学附属三原小学校にて、道徳授業研究の指導助言者として指導助言にあたった。 また、図書としては、『未来を拓くシュタイナー教育-世界に広がる教育の夢』(ミネルヴァ書房)、2006年を刊行し、『応用倫理学事典』(丸善)の「教育基本法」の項目ならびに『教育と倫理』(ナカニシヤ出版)の第6部「倫理学と教育」を2007年に刊行予定である(現在、校正中)。
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Research Products
(5 results)