2006 Fiscal Year Annual Research Report
現代青少年に関わる諸問題とその支援理念の変遷-社会化をめぐる青少年問題文献分析-
Project/Area Number |
17530588
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
西村 美東士 聖徳大学, 人文学部, 教授 (90237743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福留 強 聖徳大学, 人文学部, 教授 (30316856)
清水 英男 聖徳大学, 人文学部, 教授 (60337772)
齋藤 ゆか 聖徳大学, 人文学部, 講師 (20406747)
谷川 彰英 筑波大学, 学内共同利用施設等, 理事 (90015917)
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Keywords | 青少年問題 / 社会化 / 支援理念 / 文献分析 / 青少年教育 / 家庭問題 / ひきこもり / 職業・就職支援 |
Research Abstract |
現代青少年に関する諸問題については、「個性尊重」による個人の充実のための支援とともに、望ましい社会化を支援するための理念が形成されてきた。しかし、それは次の理由から、不十分な結果に終わっていたと考える。第1に、「一人でも(よりよく)生きられるようになる」ことを望む「個人化」欲求を社会化とは二項対立的にとらえたため、「個人化」支援と統合された社会化支援理念の構築が不十分であった。第2に、「仲間と(よりよく)生きられるようになる」ことを望む萌芽的な「社会化欲求」に対して、魅力的な方策を示し、さらには社会参画につながる展望を示すという点で不十分であった。そこで、本研究では、これまで蓄積してきた「青少年問題ドキュメンテーション」等を活用した文献分析等によって、支援理念の変遷を明らかにしようとした。 キーワードに関しては、文脈まで含めて細部にわたり分析した。その分析を通して、社会化支援理念が、青少年個人の即自、対自己、対他者、対社会の気づきにどう対応しようとしてきたかを検討した結果、その変遷過程に一定の特徴を見いだし、より効果的な支援方策のための知見を得た。 家族問題に関しては「引きこもり」問題などについて、職業・就職支援に関してはフリーターやニート等の問題について検討した。その結果、行政・教育・職業訓練関連の文献と社会学等に関連する文献との間に論点の相違を見いだし、今後の学際的な研究・実践のあり方に関する知見を得た。 青少年対策行政機関や青少年教育機関等が発行する関連文献については、社会化支援理念を共有し、発展させるための事業成果公開のツールとしての意義を明らかにした。同時に、社会化効果の測定や、より効果的な施策・事業展開のための計画策定の指標について、また、経験知としての側面の大きい社会化支援実践に関する他メディアの活用等について、成果公開の内容と方法の改善に関する知見を得た。
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