2005 Fiscal Year Annual Research Report
「いのちの尊厳」教育における生命科学的思想の位置価値と育成課題に関する実証的研究
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17530591
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
増渕 幸男 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (40149076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊倉 鴻之助 上智大学, 理工学部, 教授 (70129790)
羽入 佐和子 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (00126351)
佐竹 正延 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (50178688)
和田 サヨ子 聖母大学, 看護学科, 教授 (70310084)
加藤 守通 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40214407)
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Keywords | いのちの尊厳 / 生命科学 / ゲノムサイエンス / 臓器移植 / 遺伝子 / 死生観 |
Research Abstract |
「いのちの尊厳」が日常的に軽視されてきている教育現実を省みると、子どもの成長・発達に対してその影響は深刻度を増している。それを「いのちの尊厳」教育として焦点化しながら、教育現場でどのように教えられているのかを現在使用されている小学校・中学校・高等学校の教科書(道徳、理科、公民・倫理、生物、化学)の既述内容を分析した。その際、「いのちの尊厳」に関係している生命科学的思想の内容および真偽を問いただし、教師がどこまで理解することが大切かの基準を設定する試みを行った。その結果、教科書の記述内容は複数の教科書で一致しているものの、教師にとっては理解困難な内容(専門用語や因果関係の説明)が含まれており、初等・中等教育では生徒たちの正しい理解を促すことは難しいことが知られた。 また、専門知識の供与を得て、ゲノムサイエンスの抱える教育的問題にも迫ることができた。それは臓器移植の専門家による実践的研究からの知見であり、医療現場での「いのちの誕生と終焉」に関する臨床的データからの説得力ある臨場感の共有である。この成果の一部は上智大学生命科学研究所主催の「ゲノムサイエンスは我々に何をもたらすか」への共催と研究報告を行うことにより、公にすることができただけでなく、シンポジウム参加者(約100名)に対して研究課題の緊要性を理解させることができた。 理論的研究としては、西洋文化の中で取り扱われてきた「いのちの価値」は、古代ギリシアから現代に至るまで、必ずしも一義的には規定できない人間の尊厳問題として位置づけられてきたことが知られた。特に、近代の科学的発展に伴い、生命科学の人間観が問題を多く含んでいることも理解できた。その結果、教育学の新たな研究課題として遺伝子の領域から迫ることの可否についても一定の理解を得ることが必要であるとの観点を確認することができた。
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Research Products
(14 results)