2007 Fiscal Year Annual Research Report
公教育の多元化におけるソーシャル・キャピタルと学業達成の相関に関する日米比較
Project/Area Number |
17530592
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
高野 良一 Hosei University, キャリアデザイン学部, 教授 (40175427)
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Keywords | チャータースクール / ソーシャル・キャピタル / 学業達成 / 公教育 / 実験学校 / アカウンタビリティー |
Research Abstract |
研究の最終年度として,3年間の研究総括と補足調査を実施した。補足調査として,ボストン地区のチャータースクール,Center for Collaborate Educationなどの関係研究機関への聞き取り調査を9月上旬に行った。この調査で,チャータースクールと対抗する公立学校改革モデルであるパイロット・スクールについて知見を得た(異なる公立学校類型の比較研究は,今後の課題である)。 研究総括としては,本科学研究費研究のこれまでの成果をまとめた最終報告書を刊行した。この中で,この3年間に対外的に公表した論文のほかに,ソーシャル・キャピタル研究の整理を意図した論考も所収した。具体的な理論的・実証的成果は,ソーシャル・キャピタルと学業達成を媒介する学校組織上のいくつかのカテゴリーを見いだしたことである。その中核的カテゴリーがリチャード・エルモアによって概念化した「内部(internal)アカウンタビリティー」であり,その実定的な制度実践が構築主義的なアカウンタビリティー定義権である(詳しくは「アファーマティブ・アクションとしての実験学校『教育学研究』73巻4号参照)。 なお,17年度の成果として報告書に記載した共著『教育のためにー理論的応答』(世織り書房)は内容の修正を加えて,本年度(2007年5月)に刊行された。所収論文名は,「チャータースクールの可能性の中心」(13頁〜37頁)である。また,学業達成に関連して,大学生のコンピテンシーについて所属学部のシンポジウムで問題提起した記録も刊行した(法政大学キャリアデザイン学会紀要,Vol.5,2008年2月)。
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Research Products
(2 results)