2005 Fiscal Year Annual Research Report
分権改革下における教育委員の公募制・推薦制と教育委員会活性化に関する実証的研究
Project/Area Number |
17530594
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
三上 昭彦 明治大学, 文学部, 教授 (80061993)
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Keywords | 分権改革 / 教育委員 / 公募制 / 推薦制 / 活性化 |
Research Abstract |
本研究は、分権改革を背景にして全国20余の市区町村で実施されてきている教育委員(教育長)の公募制・推薦制の実態を調査・分析するとともに、この制度の導入・実施が教育長および教育委員会のあり方、さらには教育委員会の活性化にもたらしたものを実証的に明らかにすることを目指したものであり、平成15年度〜16年度科研費補助金を受けて実施した「分権改革下における教育長公募制と教育委員会の活性化に関する実証的研究」(基盤研究C(2))を継承し、より発展させることを企図したものである。 本年度(平成17年度)の研究成果の概要は以下のようなものである。 i)公募制・推薦制を実施した市町村のうちほぼ3分の2の自治体の基本的資料(公募要領・課題論文・選考方式など)を収集するとともに、制度内容の共通点と相違点および各事例の特徴を把握できたこと。 ii)教育長公募制に関しては、新たに関西地方ではじめて教育長公募制(引き続いて教育委員も)を実施した加西市(兵庫県)を訪問し、市長・公募教育長に聴き取り調査(インタビュー)を行い、公募制導入の背景と趣旨、制度の特徴と運用の実際、公募教育長の応募動機・課題意識および教育行政施策の特徴などを具体的に把握することができた。また、富士見町(長野県)の2度の訪問では、教育長との面談および教育委員会の傍聴と教育委員全員との懇談を行い、公募教育長のリーダーシップの下で教育委員会の活性化の状況を具体的に把握することができた。 iii)教育委員の推薦制に関しては、沖縄県が本土復帰を契機に導入・実施してきた県教育委員の「団体推薦制」の内容と経緯およびその廃止に至る事情の概要を明らかにすることができた。また、中野区はいわゆる教育委員準公選の廃止後に導入・実施している推薦制・自薦制の概要を把握することができた。
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