2005 Fiscal Year Annual Research Report
イギリスのリーディングエッジ・スクール(先端的革新学校)に関する比較教育学的研究
Project/Area Number |
17530614
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
望田 研吾 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (70037050)
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Keywords | イギリス / 中等教育改革 / リーディングエッジ・スクール / 協働 |
Research Abstract |
今年度における研究の実施は、当初の計画に即して以下のように遂行した。 第1は、文献・資料の収集と分析である。イギリスの中等教育改革関連、リーディングエッジ・スクール(Leading Edge School : LES)関連の文献については、関連日本語文献を購入するとともに、イギリス訪問調査時に政府文書・関連書籍等を購入した。LESの学校要覧等の第1次資料については、すべてのLES(約200校)に、関連資料の送付を郵送で依頼した。その結果、39校から関連資料を入手することができた。 第2は、イギリス訪問調査の実施である。今年度は、主に予備調査的な学校訪問調査を行った。期間は2005年9月26日から10月9日までの2週間である。調査対象校は、ロンドンおよびその郊外、ブリストル、マクレスターなどの地方都市にあるLES8校である。学校訪問に際しては、校長、教頭、リーディングエッジ・パートナーシップ・プログラム(Leading Edge Partnership Programme : LEPP)担当者などへのインタビュー、関連資料の収集、授業観察を行った。インタビューによって得られた知見の中で特筆すべき点は、従来、競争的「教育文化」の中で相互に競争せざるを得なかった中等学校において、LESなどの「協働的」教育文化を重視する方向性が訪問調査を行った学校において強く意識されていることである。このことは「競争ではシステム全体を改善することはできない。システム全体や、地域全体をよくするためには協働が欠かせない」との、ある学校の校長の言に端的に示されていた。 第3は、LESなどへの予備アンケート調査の実施である。2006年1月にLES約20校に対して、来年度に実施を予定している本アンケート調査のための予備調査を行った。主な質問項目は、(1)LEEPの基本理念への見解(2)学校のLEEPの目的(3)LEEP申請の理由(4)連携校の選択方法(5)具体的な協働のあり方(6)補助金の使途(7)連携校との関係(8)LESとしての利点と不利な点(9)「教育文化」のシフトへの見解、などである。回答は現在送付されつつあり、その分析に基づき本調査のためのアンケートを作成する計画である。
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Research Products
(3 results)