2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユニバーサル・アクセス時代の高等教育質保証に関する日韓比較研究
Project/Area Number |
17530620
|
Research Institution | J.F.Oberlin University |
Principal Investigator |
馬越 徹 桜美林大学, 大学院国際学研究科, 教授 (60000030)
|
Keywords | 大学評価 / 質保証 / 機関評価 / 認証評価 / 大学基準協会 / 大学評価・学位授与機構 / 大学教育協議会 / 日本高等教育評価機構 |
Research Abstract |
本年度(平成18)は二年計画の最終年度であるため、初年度(平成17)に引き続き、日本の認証評価機関および個別大学調査(広島大学、国際教養大学他)、韓国の大学評価機関(大学教育協議会)への訪問・聞き取り調査、さらには二年間にわたって収集した資料の分析に基づき、研究成果の一部を国際シンポジウム(日・中・韓の高等教育改革)で報告すると同時に論文等にまとめ、かつ最終報告書の作成に当たった。 日本の場合、いわゆる国家により認証された認証評価機関(大学基準協会、大学評価・学位授与機構、日本高等教育評価機構)による評価(これを法律上は「認証評価」と称している)が法制化されたため、2004年から認証評価はスタートしているが、まだ確立された制度として機能しているとは言いがたい。しかもそのほとんどは機関評価(総合的評価)の段階であり、次のような問題点が解決されていない。すなわち、(1)多元的評価という名のもとに複数機関により類似の機関評価がなされていることは何を意味するのか、(2)評価が「認証」評価なのか「適格認定」なのか、これらの基本的な事項についてさえ、認証評価機関及び大学の間に必ずしも相互理解が成立しているとは言いがたい。 一方、韓国の大学評価機関である大学教育協議会(評価部門)による「総合評価認定制」(当初7年周期、その後5年周期)は、すでに第三周期に入り、評価項目などにおいても抜本的な改革がなされている。一方、学問分野別評価は競争的資金と密接に関係するランキング表示がなされる評価が開発されており、世界水準を目的とする大学改革に貢献しているところである。 このようにみてくると、韓国の大学評価の方に一日の長があり、その経験は日本の今後の高等教育の質保証のあり方に対し、示唆するところが大であることが確認された。
|
Research Products
(4 results)