2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域の文化財を活用した鑑賞教材の開発-縄文文化と棟方志功をめぐって-
Project/Area Number |
17530628
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
蝦名 敦子 弘前大学, 教育学部, 教授 (20302010)
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Keywords | 美術教育学 / 鑑賞教育 / 鑑賞教材開発 / 文化財 / 縄文文化 / 棟方志功 / 教材化 |
Research Abstract |
本研究は、『平成10年度版学習指導要領』で鑑賞領域において改善された、文化財の積極的な活用について推進するべく、青森県を事例として具体的な鑑賞教材を開発したものである。本県の文化財として、グローバル性が高く評価されている棟方志功芸術と縄文文化に着目した。昨年度は教材開発のための題材化の検討に時間を割いた。そして考案・設定した教材を第一段階として主に大学生を対象として試行的に実施している。 本年度は第二段階として、それらの実験授業とその理論的反省を踏まえて、小・中学生を対象に実践を試みた。中学生の認識と感情における理解力を前提とした講話内容の勘案と決定、作品の提示法、授業過程としての「導入」、「展開」、「まとめ」の時間配分法、理解上のつまづきとそれを克服すべき助言のあり方なと、本教材の指導法上の工夫をする。また、小学校6年生を対象に授業実践をし、中学生を対象とした鑑賞教材とは異なる視点て、新たに教材開発をした。さらに教材の汎用性を図るためにも他県の中学校でも研究授業を試みる。そこでは、1年〜3年の全学年を対象に、5教材を考案し、新たに岡本太郎を対比的に扱う異なる視点からのアプローチにも取り組んだ。すなわち県内の中学校3年を対象に2教材、小学校6年に3教材、さらに他県での中学校で5教材を考案・設定し、実践的にその有効性を検証したことになる。加えて青森県の3市に着目し、美術館・博物館の教育普及の実態を調査した結果についてまとめた。 こうした研究経緯の中て、改めて問題になったのが、「教材化」の意味についてである。これまで「教材」と一括りに使用されてきた言葉の意味内容が分節化される必要性を生じ、最後にその中身を改めて検討し直し明瞭にした。
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Research Products
(4 results)