2005 Fiscal Year Annual Research Report
学習過程における意味形成の活動単位に基づく臨床的教育実践の在り方に関する研究
Project/Area Number |
17530648
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
松本 健義 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90199878)
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Keywords | 教育学 / 教育系心理学 / 学習過程 / 活動単位 / 臨床的教育 |
Research Abstract |
児童・生徒の学習過程における意味を形成する活動単位を明らかにし、この活動単位に基づいた臨床的支援の在り方に関して、以下の点について明らかにすることを目的とする。 1 学習者である児童・生徒が学習場面で、もの、他者、自己の活動や経験の3層とかかわり合いながら実際に行う活動過程における学習者の側の関係成立に着目し、学習過程がもつ文化的、社会的、主体的な関係の相互形成の観点から、児童・生徒の実践過程における意味形成の活動単位を明らかにする(平成17年度、18年度)。2 学習者の活動単位の視点にたつ、(1)学習活動計画の作成の在り方、(2)学習過程における臨床的関与(指導と評価)の視点と在り方、(3)教育支援の臨床的改善の在り方(平成18、19年度) 平成17年度は、「学習活動過程における関係形成の活動単位の事例研究」を以下の2点に関して、調査研究、並びに、事例分析を行った。1 もの、人、活動との相互作用・相互行為による活動システムの変容過程の分析。2 活動過程における文化的意味、社会的関係、活動の意味の相互的形成構造の分析。その結果、以下の活動単位が明らかになった。 (1)ものや場に媒介された学習者間の行為が、行為者個々における媒介された行為の意味と対象世界とを相互的に生産する実践的関係の連鎖単位 (2)生産される対象、共有を志向する対象世界を伝える「宛名」と、行為主体のアイデンティティとが、相互生成される連鎖単位 (3)グループ学習活動を行う行為者間での〔行為者-道具・記号に媒介された行為-生産される対象〕の相互的な連鎖がつくる、活動規則、役割行為、アイデンティティの生成単位 平成18年度は、本年度明らかにした活動単位に基づく活動事例を開発組織して研究協力校において実践を行い、臨床的分析を行う予定である。
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Research Products
(2 results)