2005 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの遊び状況の変化に適応する玩具づくりワークショップおよび玩具デザインの展開
Project/Area Number |
17530676
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
渋谷 寿 名古屋女子大学, 文学部, 教授 (70216034)
|
Keywords | 子どもの遊び / 玩具づくりワークショップ / アナログ的デザイン / ワークショップ方法論 / ヒノキ材 |
Research Abstract |
まず、現代の子どもの遊び周辺の状況を、問題点、肯定的側面、大人の関与の仕方といった三側面から分析した結果、次のような事項を確認した。1、子どもは、本来の創造性や遊びの能力を十分有している。2、子どもにとっての時間の流れは子ども独特である。3、子どもにとってのわくわくする時間と環境を、子ども中心に考え設定することが重要である。4、ものづくりの実体験は初歩からの経験が必要である。これらを玩具づくりワークショップの基本コンセプトに適応させ、子ども自らの思いを、動く動物や昆虫の玩具に表現することを目的として、6種類の基本となる玩具デザインを起こし、40回の動く玩具づくりワークショップを実践した。その結果、昆虫というテーマは、子どもたちの興味・制作意欲を引き出すことができた。これらの活動時間は差があったが、状況に応じた指導を展開できた。また、愛・地球博における連続30回の実践は、改善策を次々と次の実践に反映し、最終的に玩具づくりワークショップの一つの方法論として次のように結論付けた。1、ヒノキ材は、鋸等の道具使用をとおした加工性、安全性、香りを嗅いだりする実体験も得られる点で玩具づくりワークショップには最適な素材である。2、生き物をテーマとし、投げる行為、てこの原理、ゴム素材の特性、摩擦・重心の移動といったアナログ的な要素でデザインした動く玩具づくりは、現代の子ども達にとって興味ある行程、作業を経験させることができる。3、あらかじめ加工しておく材料部分と、子どもが自分の思いを自由に表現する部分を分けて設定する玩具づくりワークショップは、限られた時間内で子どもの満足度を高める教育的方法論である。4、子どものオリジナルな作品を完成させる上で、紙と鉛筆でデザインする方法は、大きさ、構造を理解して考えるものづくりの有効な方法である。5、後片付けにおいてゴミの分別はエコ的な教育効果が得られる。
|
Research Products
(3 results)