2007 Fiscal Year Annual Research Report
重症心身障害児(者)における情動モニタリングに関する研究
Project/Area Number |
17530684
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹田 一則 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (90261768)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 昌樹 富山大学, 大学院・理工学研究部, 准教授 (50272638)
|
Keywords | 重症心身障害児(者) / 超重症心身障害児(者) / 唾液アミラーゼ活性値 / 特別支援教育 / ストレス |
Research Abstract |
本研究ではこれまでに、試料の確保が比較的容易であり、ストレス負荷に対して早い反応が期待できる唾液アミラーゼ活性の測定が、重障児(者)における急性distress(有害なストレス)の評価および、eustress(快適なストレス)の客観的な評価において有効であることを明らかにした。平成19年度は、障害の程度が極めて重度であり生命活動の維持に日常的に濃厚な医療ケアを要し、表情の変化や体動等の本人から発せられる情報を観察から得る事がほとんど困難な、超重症心身障害児(者)〔以下;超重障児(者)〕を対象として、ベッドサイドでの訪問教育時における教育的介入の効果を、生理学的指標を用いて客観的に評価することを目的とした。その結果、以下の3点を明らかにすることができた。1.超重障児(者)に対する教育的介入に際して唾液アミラーゼ活性値を測定した結果、種々の教育的介入時にリアルタイムで有意な変動がみられた。2.超重症心身障害児に対する教育的介入に際し、心拍数や全身状態の変化が全く観察されない対象者において、教育的介入時に際して唾液アミラーゼ活性値の上昇が認められる場合があることが確認された。3.テストストリップ式携帯型唾液アミラーゼ活性測定器は、超重症心身障害児に対する教育的介入に際する評価手段として、非侵襲的であり、感度(sensitivity)、特異度(specificity)ともに優れた方法である可能性が推察された。 本研究で得られた結果は、本人から表出される情報が極めて少ない超重障児(者)の心的状態の評価においても、その療育や特別支援教育における活用が期待でき、QOLの向上に資するものと考えられた。
|
Research Products
(2 results)