2007 Fiscal Year Annual Research Report
軽度発達障害児の示す行動障害に対する全校的行動支援プログラムの開発
Project/Area Number |
17530685
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野呂 文行 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (30272149)
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Keywords | 発達障害 / 通常の学級 / 機能的アセスメント / 学級全体に対する支援 |
Research Abstract |
今年度は、通常学級に在籍する発達障害の児童を対象として、以下の研究を実施した。第一に、通常学級に在籍する注意欠陥・多動性障害(ADHD)の児童を対象に、学級内で起こすけんか行動を減らすための支援プログラムの立案について検討をした。具体的には、対象児童が示すけんか行動に関する機能的アセスメントの実施、ならびにそのアセスメント結果に基づく支援プログラムの立案を実施した。対象児童のけんか行動の機能的アセスメントの結果、2つの行動に関する仮説が立てられた。第一に、対象児童のけんかが周囲のけんかがきっかけで生じているということであった。第二に、けんかに勝つことが対象児童の行動の強化刺激になっているということであった。アセスメントから導き出されたこの2つの仮説に基づいて、2つの支援プログラムが立案された。この支援プログラムは、対象児童に対してのみを対象とするのではなく、学級全体を対象として実施された。支援プログラム(1)は、学級内で生じる全体的なけんかの頻度を減少させることで、対象児童のけんか参加のきっかけを消失させることが目的であった。具体的には、けんかを見たら「ストップ」と言う、ということを学級全体に教示した。支援プログラム(2)は、「ストップ」と言えたこと、ならびにけんかをしなかったことを強化するためのトークンエコノミー法を導入した。この2つの支援プログラムの結果、対象児童のけんか行動が大きく減少した。また学級全体への支援プログラムの立案を検討するために、小学校4年生を対象として、授業開始・終了の挨拶時に、静かにする行動を指導するプログラムの検討を行った。その結果、折れ線グラフを用いて、静かになるまでの時間を学級にフィードバックすることによる効果が示された。
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Research Products
(3 results)