2005 Fiscal Year Annual Research Report
通常学級における軽度発達障害児の気になる・困った行動の生起場面に関する調査研究
Project/Area Number |
17530689
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
平澤 紀子 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (20320393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神野 幸雄 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (40273114)
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Keywords | 通常学級 / 軽度発達障害児 / 気になる・困った行動 / 生起場面 / 調査研究 |
Research Abstract |
本研究では、通常学級に在籍する軽度発達障害児の気になる・困った行動が生起する環境条件の特徴を明らかにすることによって、通常学級の様々な活動を単位として、担任教師が見通しをもった適切な対応を見いだすためのアセスメントを検討する。1年目の課題として、小学校通常学級担任教師への質問紙調査を基に、気になる・困った行動が生起する場面や活動の特徴について明らかにすることを目的とした。 調査は、平成17年11月に、G県G市教育委貝会を通じて、市内公立48小学校(通常学級在籍児童数22,285名、学級数696)の通常学級担任に配布され、47校から回答を得た(回収率98%)。対象児童は、学級担任にとって指導困難な行動の問題を示す児童で、複数の場合はとくに困った各学級3名記入してもらった。調査項目は、学級に関する7項目と対象児童や活動場面に関する12項目で、統計解析ソフトSPSSにより分析した。 その結果、対象児童は488名で、学習面や行動面に著しい困難をもち(全国実態調査の項目と基準)、身体・聴覚・視覚障害を除いた456名を分析対象とした。(1)対象児童:(1)性別(男子368名、女子88名)、(2)診断(あり129名、なし243名、不明84名)、(3)障害(LD9名,ADHD34名,自閉症57名、知的障害23名、他6名)、(4)最頻学年は3年101名(22%)。(2)最も気になる・困っている行動は「不適切な言語」53名(12%)、(3)最も生じやすい場面は「授業場面」326名(71%)、環境特徴の上位は「相手や周りに合わせる活動」261名、「概念を理解したり、考える活動」240名、「言葉の説明で行う活動」237名。(4)最も生じにくい場面は「休み時間」188名(41%)、環境特徴は「好きな活動」287名、「自分のペースでする活動」244名、「ルールの単純な活動」136名。また、予備的事例研究からも、行動問題の生起・非生起場面で異なる環境特徴が挙げられた。
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