2006 Fiscal Year Annual Research Report
通常学級における軽度発達障害児の気になる・困った行動の生起場面に関する調査研究
Project/Area Number |
17530689
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
平澤 紀子 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (20320393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神野 幸雄 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (40273114)
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Keywords | 通常学級 / 軽度発達障害児 / 気になる・困った行動 / 生起場面 / 事例調査 |
Research Abstract |
本研究は、通常学級における事例調査を基に、軽度発達障害児の気になる・困った行動が生じやすい場面の環境条件の特徴を検討するとともに、前年度の研究結果と合わせて、通常学級の教育活動において気になる・困った行動の生起を予測するアセスメント方法を様式化することを目的とした。 事例調査は、平成18年9月〜11月に、G市立小学校10校の通常学級で行われた。対象児童は、軽度発達障害が想定され、学級担任にとって指導困難な行動の問題を示す児童で、各学年1名抽出された54名(男46名、女8名:平均年齢8.7歳:診断(あり17名、なし37名)であった。問題が最も生じやすい「授業場面」42名、「休み時間」5名、「係役割場面」7名において、研究者が行動観察を行い、学級担任から聞き取りを行った。調査項目は、気になる・困った行動の行動が(1)生起したときと(2)生起しなかったときの先行条件一行動一結果条件、(3)活動の参加、(4)現在の対応と効果であった。 対象児童の「取り組み」、「不適切な会話」、「かかわり」等の問題を対象とした「授業場面」42名の行動観察結果は、(1)生起時は、「言葉の説明で行う活動」、「文書を読みとって行う活動」、「概念を理解し、考える活動」において、「教師が説明や話しをしているとき」、「教師がかかわっていないとき」等に生起し、それに対して「繰り返し促す」、「対応しない」がとられ、結局、「課題に取り組んだ」のは6割ほどであった。(2)非生起時は、「好きな活動」、「手順や内容が決まっている活動」において、「関心のある発問をする」、「教師が側に来て個別対応する」等で課題に取り組み、それに対して「誉めるjが6割ほどであった。(3)活動参加は「説明を聞く」、「課題に取り組む」で低く、(5)現在の対応は「全体の中での個別対応」、「席の工夫」等が上位に挙げられたが、行動の改善は5割、活動参加の改善は6割であった。 以上を基に、前年度の研究結果と合わせて、「授業場面」を中心とした、気になる・困った行動の生起を予測し、それを防止する手立てを見いだすためのアセスメント項目について検討した。
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Research Products
(4 results)