2007 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症児・者の就労支援に関する研究-個別の移行支援プログラムの検討-
Project/Area Number |
17530695
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
上岡 一世 Ehime University, 教育学部, 教授 (40284377)
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Keywords | 自閉症 / 就労 / 移行支援 / 進路指導 / 個別移行支援計画 |
Research Abstract |
現在、企業就労している自閉症者及び企業就労したものの挫折した自閉症者を対象として、就労を実現するまでの支援過程、就労してからの支援状況及び適応状況を細かく調査し、企業就労と長期就労維持を実現する個別就労・個別移行支援プログラム作成のためには何が必要かを検討した。具体的は、全国の知的障害養護学校高等部を卒業し、企業に就労した246名を対象に就労実現の理由、職場適応状態、就労維持の条件等について調査、考察し、また、企業就労したものの途中で挫折した100名を対象に離職の原因、職場適応状況、離職後の進路、離職後の適応状況、離職回避の要件等について、調査、考察をした。これらの調査結果から、自閉症児・者の就労を実現するためには、また、長期就労を維持するためにはどういう支援・指導・移行計画が必要か、研究協力校と連携し、実践的検討を加え、個別支援計画のモデルを作成した。 今回の調査は全国レベルで行ったため、自閉症者の就労実態の詳細が明らかになったばかりではなく、今後の自閉症教育の方向性を示す有益な情報がたくさん得られた。特に筆者が作成した、個別の教育支援計画、個別の指導計画、個別移行支援計画、進路指導に関する記録、社会参加・自立度点検表の各モデルについては、自閉症児・者の企業就労を実現するための学校教育を中心とした指導計画モデルを示したものである、と確信している。 なお、成果は「個別の教育・指導・移行計画の作成とその実際」(明治図書出版)として刊行すると共に、研究協力者と共に「自閉症児・者の就労実現と就労維持のための支援を考える」シンポジウムを開催し、発表した。
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Research Products
(3 results)