2005 Fiscal Year Annual Research Report
患者を中心とした外来理学療法目標の決定および達成度評価
Project/Area Number |
17530698
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
上岡 裕美子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (70274983)
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Keywords | 理学療法 / 外来 / 理学療法目標 / 脳卒中 |
Research Abstract |
目的:患者の主体性を尊重し、かつ現実的な外来理学療法目標を決定するための「対話型の目標設定方法および達成度評価怯」を提案することが本研究の最終目的である。平成17年度はその前段階として、外来理学療法を受けている脳血管障害後遺症者(以下患者)とその担当理学療法士(以下担当PT)を対象に、それぞれが認識している外来理学療法目標の特徴と相違を明らかにすることを目的とした。 方法:対象は、外来理学療法を受けている患者と担当PTの29組のペアで、患者29名(平均年齢61.9歳)、担当PT延べ29名(重複除き20名)であった。発症から6〜9ヶ月(回復期後期群)7組、10ヶ月〜3年(維持期前期群)12組、4年以上(維持期後期群)10組であった。認識している目標の把握には、筆者らが抽出した外来理学療法目標60項目を用い、因子分析法の一つであるQ技法にて分析した。 結果:患者は、回復期後期群では運動機能改善、維持期前期群は歩行改善、維持期後期群では第1因子は運動機能・歩行の改善、第2因子は現状の生活維持を目標と認識していた。担当PTは、回復期後期群に対して社会的役割取得および歩行改善を、維持期前期群に対しては運動機能・活動の維持および社会参加の促進を、維持期後期群に対してはより積極的な社会参加の促進を目標と認識していることが示された。 考察および今後の課題:いずれの時期においても患者と担当PTが認識している目標には相違が認められたが、維持期の患者は非現実的な期待や願望は持ち続けながらも、現実的な認識もできてきており、担当PTと目標を共有することは可能であると考えられた。今後の課題は、両者が目標を共有するための「対話型の目標設定方法および達成度評価法」を検討することである。
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Research Products
(1 results)