2007 Fiscal Year Annual Research Report
患者を中心とした外来理学療法目標の決定および達成度評価
Project/Area Number |
17530698
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
上岡 裕美子 Ibaraki Prefectural University of Health Science, 保健医療学部, 准教授 (70274983)
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Keywords | 理学療法 / 脳卒中 / 目標設定 / 目標達成度評価 / 患者中心 / 外来 |
Research Abstract |
平成19年度は、平成18年度に考案した理学療法目標設定方法(チェックリストを用いた書式対話型の目標設定および達成度評価法、以下目標設定方法とする)の臨床有用性を検証した。 目標設定方法は以下の3つの書式からなる。1.目標チェックリスト(患者用、担当理学療法士用、患者家族用の3パターン):患者と担当理学療法士それぞれが目標にしたい項目をチェックして、目標を話し合う、2.目標記録シート:決定した目標を記載し患者と担当理学療法士が一緒に確認する、3.目標達成度評価シート(Goal Attainment Scaling):目標達成度を定期的に一緒に評価する。 3組の外来脳卒中患者と担当理学療法士を対象に、目標設定方法を用いた結果、症例1の目標は「パークゴルフをする(副目標:杖に頼らないで歩く、体力をつける)」であった。症例2の目標は「映画館へ映画を見に行く(副目標:屋外歩行の距離延長、歩き方の改善)」、症例3の目標は「毎朝新聞を取りに行く(副目標:新聞を持って不整地・段差を歩行する)」であった。このように、患者の生活に即した目標と、それを達成するための理学療法における副目標を設定することができた。また目標達成度評価を定期的に一緒に行うことにより、患者と担当理学療法士が目標に関する共通認識を継続して持つことができた。また、目標達成に向けた意欲向上が認められた。 考案した目標設定方法を用いることによって、目標、理学療法介入、評価が一貫したものとなり、より有効な理学療法サービスの提供に貢献し得る方法であることが示唆された。今後の課題は、今回の対象は3組のみであったので、今後、一定規模のパイロットスタディなどにより、本目標設定方法の効果を検証することが必要である。
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Research Products
(1 results)